【時代逆行】文明の利器禁止で事件に首突っ込んでみた
【時代逆行】文明の利器禁止で事件に首突っ込んでみた EP1
「高槻くんさ、最近寒すぎじゃない?」
お馴染みの≪梟亭≫のボックス席でボサボサ頭の瀬田がぼやいている。それもそのはず、年を越して一月も終わりに差し掛かっているのだ。店内に流れるジャジーな音楽に似つかわしくない瀬田の陰鬱な表情に、高槻は思わずニヤリとしてしまった。テーブルの上に置かれたカメラはじっと瀬田を見つめている。
「まあ、冬ですからね」
東京のどこかにあるというウソみたいな名前の街・鷺市。そのとある町中に純喫茶≪梟亭≫はある。関東地方はこのところ寒波が押し寄せていて、低温注意報まで出るほどだった。
「この調子だったら今年の夏にはマイナス八十度くらいになっちゃうんじゃないの」
「うわぁ、おじさんギャグですね……」
「おじさんだからね」
渋い顔で熱いコーヒーを啜る。
「瀬田さん、これまでこの≪名探偵チャンネル≫で第一弾、第二弾と企画をやって来たじゃないですか」
世界有数の動画配信サイト≪WeTube≫……その片隅でこのおじさんたちの立ち上げたチャンネルは密かに産声を上げた。瀬田というどこの馬の骨か分からない探偵を使って事件解決を目指すことを目的とするが、その過程で高槻が課す縛りのせいで瀬田は四苦八苦している。
「この前観たよ、このチャンネル」
「あ、観ましたか? どうでした?」
「あのさ、高槻くんさ、事件現場とか行くとさ、出てくる人とかまわりの景色にモザイク入れてるじゃん。あの技術凄いよな」
「ああ、昔AVにモザイク入れる仕事してたことあるんすよ」
「マジで? じゃあ、見放題だったの? あの……アレを」
興味津々の瀬田だったが高槻は手を振って話題を掻き消そうとした。
「そんなことどうでもいいんですよ。あれですよ、前回の≪目隠しして事件解決してみた!≫シリーズも結構コメント来てたんですよ」
「ああ、ホントに? どうせつまらない奴らばっかりだろ」
「なんで毎回視聴者に厳しいんですか。……ええと、『最初軽い事件かと思ったら、わりと重めで考えさせられた』とか『真面目にできるじゃん瀬田』みたいな、結構シリアスだったねみたいなコメントがありましたよ」
「俺だってやる時はやるのよ」
褒められてまんざらでもない様子だ。
「あとね、駒ケ岳さんっていう人が『留守電の音声だけで場所特定したところ鳥肌立った』って言ってます」
瀬田はニヤニヤしながらカメラに指毛だらけの人差し指を向けた。
「そうだろ、駒ケ岳。あそこの俺凄かっただろ。お前はよく観てるなあ」
「あとですね、瀬田さんの子ども時代に関してなんですかね、『瀬田の子ども時代にめっちゃシンパシー感じてしまう』とか『瀬田陰キャで草』っていうのがあります」
「お前らな」瀬田がカメラを睨みつける。「教室の端に追いやられてた人間だってちゃんと人生があるんだぞ。敬意を払え、敬意を」
「あとはですね……みかんさんっていう人のコメントなんですけど」
「ちょっと待て。みかんって奴、覚えてるぞ。鋭い分析してくる奴だろ。ふざけるなよ、コメントしてくんなよ」
敵意剥き出しの瀬田の眼光である。みかんは初回の動画の際、瀬田が男は呼び捨てだが女にはさん付けをするというのを指摘してきたWeTubeコメント界の猛者だ。
「『最後らへん、瀬田が格好つけようとしてるのが透けて見えて、それが逆にめちゃくちゃダサかった』って言ってます」
「おい、みかん! コノヤロー! たまにはしっとりさせろ!」
「みかんさんのコメントが人気で、返信が五十くらいありますね」
「俺の動画でのし上がろうとするんじゃないよ、みかん」
「まあ、ということでね」タブレットを閉じて高槻が進行する。「結構いろんな方に観てもらっている感じで、ついにフォロワーさんが一万人突破しました」
高槻が拍手する。
「物好きな奴らだねえ」
高槻に倣って拍手をする瀬田は鼻高々だ。
「それでですね、結構前の動画でも言ってたんですけど、動画の概要欄にメールフォームを設置してるんですよね。なにか事件があったら連絡してください的な感じで。で、わりとそこからメールが来てたんですよ、真面目な感じのやつが。今回はですね、瀬田さんにはそのメールの依頼にチャレンジしていただこうと思ってまして」
「なに、新しい展開だね」
高槻はプリントアウトしていたメールの文面を読み上げた。
「瀬田様、高槻様、いつも動画を楽しく拝見させていただいております。金山沙織と申します。早速ですが、私の直面している問題について相談させてください。正確には、私の、というより、私の職場が、と言った方が正しいのですが……。私は現在、鷺市にあります青藍(せいらん)大学で事務員をしております。青藍大学は、一月の第三週から後期試験期間に入っておりました。私は主に人間科学部という学部内での講義や試験の運用などについての業務を担当しているのですが、必修となっている人間科学概論の後期試験問題の流出疑惑が発生しており、担当教授の安城も困惑しております。大学側での調査も芳しくなく、ここはぜひ瀬田様のお力添えをいただきたいと思い、メールさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします……とのことです。瀬田さん?」
瀬田はパッと目を覚まして、うんうんとうなずいた。
「そうだね。人によってはセーラー服が良いって人もいるだろうね。俺はどちらかというと、ブレザー派なんだよね」
白河夜船をかます瀬田に高槻は溜息をついた。
「店内があったかくて気持ち良くなっちゃってるじゃないですか。おじいちゃんですか。誰も瀬田さんの趣味聞いてないんですよ」
高槻はメールの文面を瀬田に手渡した。瀬田はゆっくり黙読すると、難しそうな顔をした。
「高槻くんはさ、大学行ったことあるの?」
「ありますよ。一応早稲田出てるんで」
「あの福澤諭吉の?」
「それは慶応ですね。早稲田は大隈重信です。瀬田さんは?」
「俺は東大とハーバード大学に誘われてたんだけど、面倒だったから断ったのよね」
「飲み会みたいなノリで大学は決まらないんですよ。大学行ってないんですね」
瀬田は文章を指さした。
「なに、人間科学って? 改造人間作ったりしてんの?」
「そんなマッドなこと公にやるわけないでしょ。人間自体を研究する分野らしいですよ」
「へえ、人間とは何ぞやってやつか……試験問題の流出も研究すればいいのにな」
「それを言ったら元も子もないんですけど、今回はこの依頼を受けようということで、どうですか?」
瀬田は無精ヒゲをジャリジャリと言わせて渋っている。
「あれ、乗り気じゃないですか?」
「いや、大学生に近づいたらビールを一気飲みさせられるかもしれないと思うとさ……」
「どういうイメージなんですか。そんな山賊みたいな奴はいないですよ」
「じゃあ、まあ、さわりだけ聞いてみるかね」
「分かりました。……まあ、分かりましたっていうか、もう先方に話通してあるんで決定事項なんですけどね」
サラッと今のくだりを水に流す高槻。一方の瀬田は表情を曇らせた。
「で、今回もなんかルールがあんでしょ?」
「よく分かりましたね。今回のルールは……≪文明の利器禁止≫!」
「文明の利器禁止?」
「今の世の中、便利じゃないですか。パソコンやスマホでなんでも調べられるわけです。なので、そういう便利な道具は使用禁止させていただきます」
「また面倒臭そうな……」
「瀬田さんが道具を使うのもそうですけど、誰かに道具を使わせて情報を得るっていうのもダメです」
「電話とネットが使えないの?」
「どっちもダメです。メモとかも取っちゃダメ。ただし、移動は車とか電車使ってもいいです。そこ禁止するとちょっと訳分かんなくなっちゃうんで」
「椅子に座ったりエレベーター使ったりは?」
「それはOKにしましょう。要は、事件解決のために道具を使うのが禁止ってことで。あとは、その都度、チェック入れていきますんで」
「たまには普通に調査させてくれよ」
「今回もルールを破った回数×一万円を罰金として没収します」
「それが死んでも嫌なんだよな……」
瀬田は、一万円を払うくらいなら事件解決しなくてもいいと、探偵にあるまじき暴言を放ったことで有名だ。金の亡者がモジャモジャ頭になったみたいな男なのである。瀬田は高槻に催促されてポケットから取り出したスマホを手渡した。おまけに手首に巻いていた腕時計も素直に差し出すので、高槻は笑ってしまった。
「瀬田さんって意外とこういうところちゃんとしてますよね」
「後でルール違反だって言われて金払わされるのが嫌なんだよ」
切実な瀬田の思いを乗せて、二人は高槻の運転で青藍大学へ向かった。
* * *
青藍大学は四十年前に市が誘致した総合大学で、鷺市の外れに広がっている。大学の敷地はそれなりに広いが、適度にコンパクトだ。大学があることで若者の街と思われがちだが、そこは詰めの甘い市政が示す通り、近隣の都市との交通の便もわりと良いことから住民の若返りには見事に失敗している。
二人の乗った車は正門で守衛のチェックを受け、訪問者用の駐車場に案内された。今は裸になった桜の木々に囲まれた駐車場に降り立つと、瀬田は辺りを警戒した。
「高槻くんね、カメラ盗られないように気をつけてよ」
「スラム街に来てるわけじゃないんですよ」
正門からまっすぐに伸びる広い道の両脇には高い建物が並び、学生の姿も見受けられる。その道の行きつく先に、ひときわ高い建物がある。
「あれが中央棟……いわゆる青藍タワーってやつですね」
歩きながら青藍タワーを見上げる瀬田の顔は明るくはない。寒いせいかもしれない。
「学生から巻き上げた金で建てたんだろう」
「なんてこと言うんですか。あれは創設当初からあるそうですよ」
あらかじめ大学のホームページで調べているのか、高槻はツアーガイドみたいになっている。
「奴隷を使って建てたの?」
「いつの時代ですか。まあ、バブル期だったんでデカく作れたんじゃないですかね」
「よく見ると、古そうな感じではあるな」
デザインの時代性もそうだが、ところどころに補修の跡が窺える。そういうところには目敏い瀬田である。人には嫌われて当然だ。
二人は青藍タワーに入り、来客窓口に向かった。用件を伝えると、奥の応接室に通される。依頼者の金山を待つ間、カメラをのセッティングをする高槻にソファにふんぞり返った瀬田が話しかける。
「学校ってさ、何の教室か札みたいなのあるじゃん。何年何組とか化学実験室とかさ」
「ああ、ありますね」
「高校の時にさ、学校の中にある教室の札を全部バラバラに入れ替えたことがあってさ、次の日に校長に呼び出されたことを今思い出したよ」
「なんでそんなことしたんですか」
「名前と物質は本当にイコールで結ばれるものなのかという言葉へのアンチテーゼだね」
「やってることは悪ガキじゃないですか」
ノックの音がする。現れたのは、大学の職員らしいシンプルないでたちの女性だった。金山である。金山は瀬田と高槻に握手を求めた。
「いつも観てます」
「面白いでしょ」
気を良くした瀬田が自信満々に聞いた。金山は口元を押さえて笑った。
「みかんさんのコメントが面白くて……ホントに女の人にさん付けしてる~って思いました」
「お前はみかんの一族か」
不機嫌そうに瀬田が表情を歪めた。金山は首をかしげた。
「みかんの一族って何ですか?」
「さっきもみかんさんのコメント読んで瀬田さんがキレてたんですよ」
高槻が教えてやると、金山は嬉しそうに目を輝かせた。
「楽しみです!」
瀬田は金山をギロッと睨みつけた。
「君はさっき俺の体を通してみかんと握手をしたというわけだ」
意味の分からない論理を振りかざす瀬田を不思議そうに見つめながら、金山はペンと手帳を二組差し出した。
「うちの大学のペンと手帳なんですが、もしよろしければ……メモ代わりにでもしてください」
深い藍色のデザインに金色のクリップのついたボールペンと同じ色調のカバーのついて手帳だ。受け取ったはいいものの、瀬田は苦笑いする。
「使えないんだよな」
「どうしてですか?」
「あのね、金山さんね、このチャンネル観たことあるなら分かると思うんだけどね、もう始まってんのよ」
「え! メモ禁止ですか?」
≪名探偵チャンネル≫の視聴者らしい食いつき方を見せた金山に高槻が詳細を説明する。金山は圧倒されたように声を漏らした。
「難しそうですね……」
「そうなのよ。困ってんのよこっちは」
高槻が咳払いをして本題に進む。
「それで、メールでも少し説明していただいたんですが、人間科学概論の後期試験の問題が流出したのではないかということですけど」
「はい。疑惑というか、担当の安城先生は十中八九、流出したと言って疑わないんです」
「その理由は聞いてますか?」
「なんでも、何人かの学生の前期試験の点数と後期試験の点数の辻褄が合わないんだとか……。確かに、前期四十点台だった学生が後期には満点を取っているケースがあるはあるんですけど、それで試験問題が流出したと断言できるかどうか……。単純に後期頑張らなきゃいけないと思って努力する学生もいますから」
「もし答えを知っている奴だったら、そいつはバカだな」バカみたいな表情で瀬田が言う。「夏休みの宿題もドリルの答えを全写しするような愚かな奴に違いない。そういう時は、適度にわざと間違いを混ぜておくもんだ」
良い子には聞かせられない最低なハウトゥーを披露した瀬田を無視して、高槻は尋ねた。
「どういう状況で試験問題が流出したと思われてるんですか?」
「どうやら、安城先生のゼミ生が見つけたらしいんです、掲示板で……」
「ゼミ生って何? 人生のセミバージョンのやつ?」
人生→蝉生みたいなことらしい。読者諸君にこのようなくだらない解説をしていることが何とも嘆かわしいことである。
「安城先生は、人間科学概論とか人間科学デザインとか、いくつかカリキュラムを担当してるんです。人間科学部では、四年でゼミに入るんですけど、そのうちの一つを安城先生が受け持っているんです。そのゼミ生です」
大学のシステム自体をよく知らないらしい瀬田はポカンとしていたが、高槻は構わず先に進んで行く。
「掲示板というのは?」
「この中央棟の裏手のピロティに色々なお知らせができる掲示板があるんですけど、そこのことです。人間科学概論の後期試験が始まる三日前だったので、一月十六日の出来事なんですけど、夕方の四時過ぎに二人のゼミ生がその掲示板に大きな封筒が貼りつけられてるのを見つけたんだそうです。封筒にはラベルが貼られていて『人間科学概論後期試験問題在中』と書かれていたと言うんです」
「中身は?」
ようやく瀬田も興味を示し始めた。
「中身はなかったそうです。ただ、その二人のゼミ生がその五分くらい前に掲示板の前を通った時にはそんなものはなかったと言うんですよ」
無精ヒゲをいじりながら、瀬田がつぶやく。
「短時間で掲示板に封筒が貼り付けられ、中身が持ち去られたというわけか」
「封筒の写真がこれなんですけど……」
そう言ってスマホを差し出そうとする金山に、瀬田はものすごい勢いでソファから転げ落ちた。
「バカヤロー! 俺にいいいいいいい、一万払わす気かっ!」
必死の形相で叫ぶ瀬田に、高槻と金山は嬉しそうに笑い声を上げた。
「そっか、そうでした、すいません」
金山は笑いながらスマホをしまった。冷や汗を拭いながらソファに腰を下ろす瀬田は金山に釘を刺す。
「文明の利器禁止なの。スマホもパソコンも電話も、たぶん電報もダメなの。気をつけてくれよ」
「分かりました」
金山は片手でOKサインをして見せる。このチャンネルの視聴者らしく、どこか抜けている感がある。
「で、封筒の実物はないのか?」
「安城先生がグチャグチャに破って捨ててしまったらしくて……。写真は発見したゼミ生が撮ったんだそうです」
「安城先生もその現場を見たんですか?」
「そうです。封筒を発見したゼミ生が研究室棟の安城先生の部屋まで行って伝えると、ゼミ生に案内させて急いで現場を確認しに行ったんだそうです」
「はあ、なるほどね」
思い至ることがあったらしく、瀬田はニヤリとした。
「研究室棟っていうのは?」
「この中央棟の先に五号館とか八号館とかがあるんですけど、そのさらに先にある一番奥まった場所にある建物です。教授の研究室があるので、研究室棟と呼ばれています」
「掲示板のところから研究室棟はどれくらいの距離なんですか?」
「走ると二分くらいですかね」
高槻は瀬田を見た。今回は依頼人とのやり取りを高槻がやっていることもあり、金山と瀬田の仲介人のような趣がある。
「どうですか、瀬田さん?」
「容疑者は挙がってるのか?」
その言葉のチョイスに引っかかるところがありそうだったが、金山は答えた。
「一応、安城先生が満点を取った学生をピックアップしたんですが、三人いまして……ただ、私たちも聞き取りをしたんですが、試験問題については何も聞き出すことができませんでした」
「その……何とかガイロンとかいうやつの試験は何人が受けたの?」
「二百二十一人です」
「ににに、二百?!」
瀬田は飛び上がってしまった。笑いを堪えて金山が応える。
「人間科学部の必修科目なので」
「二百って言ったらこの街の人口より多いだろ、なあ、高槻くん?」
「どこの村ですか。その二千倍くらいいますよ」
「……二百は多いなあ」
呆然とする瀬田。もしかすると、一クラスを高校くらいの規模だと考えていたのかもしれない。
「それで、一応安城先生にもお時間も取っていただいてまして、これから研究室棟へ向かおうと思うんですが」
渡りに船といった提案を瀬田たちは快諾した。応接室を出て金山の先導で青藍タワーの廊下を裏手の方へ歩いていく。この廊下は青藍タワーを突っ切っているためか、学生の姿も多い。瀬田は一人一人に警戒心剥き出しの視線を向けていた。
「瀬田さん、殴りこみに来たわけじゃないんですから、ガンつけるのはやめてください」
「学生の数が多いな……」
「いえ」金山は首を振った。「もう終わりますけど、今は試験期間中なので、いつもより学生の数は少ないですよ。いつもはもっと賑わってます」
「全体の学生の数はどれくらいですか?」
高槻がカメラを向ける。
「約八千人ですね」
「ははは、八千?!」またしても瀬田が飛び上がるが、もう免疫がついたのか金山が笑うことはなかった。「戦闘力みたいだな、高槻くんな?」
「まあ、そうですね……」
瀬田の言うことが分かってしまうことに高槻は自分自身への失望を抱えた。彼はふと気づいて、腕時計に目を落とした。
「ということで、移動中なんですが、ちょっと動画長くなってしまうんで、一本目をここらへんで終わりにしたいと思います」
廊下の壁を背に金山と瀬田を並ばせて、高槻は二人に締めの言葉を促した。
「え、いいんですか?」
金山が笑みを浮かべる。このようなどうしようもないチャンネルにもファンというものはいるというわけだ。二人は高槻のカンペに声を揃えた。
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