選択

 選ばれることを夢見ていた。執着していた。ただひとり、唯一無二、かけがえのない、そんなものになる日が来るのではないかと、夢を見ていた。

 夢に溺れる私に、嗚咽混じりの声が問いかける。

 なぜ選ぼうとしないのか。

 選ばれることばかりに囚われた幼い私は、私が持つべき選択肢を手放していた。

 選ぶ権利、選ぶ責任。そのどちらもから、私は逃げていた。

 気づいた今こそ、私は変わるのだろう。最早、選ばれることに意味はない。

 私が、自らの今を選び取るのだ。






20221208

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