テーマ、自分





◯登場人物


私中学二年生

美術部。内気な性格、部活内の人間関係に悩んでる。犬が好きで幼い頃から犬にまつわる漫画や本を読んでいた。人間関係の悩みで行き詰っていたうえに愛犬を失う。


弟小学四年生。

地元のサッカークラブに入るもやりたいポジションを任せてもらえない。そのストレスに拍車をかけるように愛犬を失う。


ピッケ(愛犬)バーニーズマウンテンドッグ

六歳で死去する。肥大した脾臓の摘出手術をするもリンパ腫と判明し余命宣告をされていた。宣告されていた一ヶ月の生命を全うする。


私、弟。動物病院の先生が子供ぎらいであるために診察室に入れてもらえず、そわそわとしながら待っている。その間、ミニチュアダックスフントが会計の終わった飼い主と共に帰ってゆく。

なかなか診察室から出てこない両親と愛犬に不安を募らせてゆく。兄弟が待つ間も、元気そうな犬や猫は院内を出入りしてゆく。愛犬が尻尾を振りながら帰ってくる。脾臓手術の後、何度かお見舞いにはきたが改めて会えたことに兄弟は喜ぶ。


両親の表情は暗い。不安になる私、それには気づかず犬と戯れる弟。


自宅、動物病院から帰宅


両親から兄弟は犬がリンパ腫であることを伝えられる。血液は汚染され、余命宣告をされたことを告げられる。父が告げている間、気まずそうな母。

頭が真っ白になる兄弟、何事もなさそうに家に帰ってこれたことを喜ぶ愛犬を見て泣き出す。兄弟に抱きしめられる愛犬は幸せそうにしている。


自宅、朝


食べられるものの少ない愛犬にカステラをあげる。余命宣告をされた犬との付き合い方を考える兄弟、学校を休みたいと言い出す弟を家族は諌める。だが、皆できるだけ長くそばにいたいという気持ちはあった。


自宅、夜


愛犬と一緒に寝ることを決めた兄弟。愛犬のお腹を枕にしてい眠っていた頃のことや、東日本大震災のあとに家にきた子犬だった頃の愛犬を思い出す。


日中、それぞれの兄弟


私、部活での人間関係の焦りと愛犬の死の間で悩む。部活を休みたいといって同級生に白い目で見られる弟、サッカーの試合でボロ負け。こんなことに無駄な時間を割いているのなら愛犬のそばにいれば良かったのにと後悔。サッカーをしている意味を見失う。


自宅、夜


それぞれのストレスがぶつかり兄弟喧嘩になる。少しずつ弱ってゆく愛犬。兄弟の異変に気づく。それぞれを慰めるように顔を舐める。しっぽが弱々しく揺れる。

お気に入りのソファから動けなくなる愛犬を見て、二人はわっと泣き出す。


自宅、それから


兄弟はそれぞれの生活をどうにか生きようと思った。愛犬に特別に接することは遠回しに異変を伝えていることだと気づく。カステラやパンを吐き出してしまう愛犬に、残りの時間の少なさを悟る。余命宣告をされてから三週間が経過していた。

私、愛犬のそばで眠るたびに、起きた時愛犬が目覚めなくなるのではと不安になる。


自宅、朝


土曜日、愛犬が息を引き取る。愛犬、弟、私が一緒に眠っていた。テレビをつけたまま眠っていた。朝のニュースが流れている。体が硬く、冷たくなっていることに弟が先に気づき、泣き出す。私もその反応から察し、泣き出す。


後日、私の日中


母に愛犬が天国に安心していけないと言われ、学校へゆく。教室で事情を知っていた友人たちが慰めてくれてまた泣いてしまう。咎める人はいなかった。私が気づいていなかっただけで、私に味方は多くいたことに気づく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る