楽に幸せになる方法

!~よたみてい書

みんな幸せ

 日本には不幸な人が多い。いや、多すぎる。

 

 だから私は知識が無いなりに世界から不幸な人が居なくなる方法、解決策を考え、導き出した。

 

 もちろん、不幸な人は精神面が不安定な場合が多いので、きつい策は除外している。


 私はそこまで愚者で鈍感ではない。




 まず手始めに、この国の法制度を根本的に変える。


 現行法は奴隷禁止と売買禁止の二点だけだが、その二つとも撤廃する。


 「奴隷制度の完全廃止」これが私の結論だ。


 しかしこれには難色を示す者も居るだろう。


 なのでまずは、「奴隷解放令」を出す。


 これは、奴隷を持っている者に対し、奴隷を解放しろという命令である。


 もちろん反発はあるだろうが、それでも奴隷を持つ者は大多数が貧乏貴族か豪商であり、奴隷を解放する事で経済力の低下は免れない。


 だがそれは問題無い。


 私にはもう一つ別の「ある計画」があるからだ。


 この国は今、内戦の危機を迎えている。


 原因は貴族の腐敗政治と民衆の反乱だ。


 私はこれを好機と捉えている。


 貴族達を殺し尽くし、革命軍と共に貴族連合を打ち倒すのだ。


 そして貴族階級を廃して共和制国家とし、「幸福な国」を作る。


 王政よりは民主制の方が遥かにマシだ。


 王族や貴族は国民の上に立つ資格は無い。


 私が国民全員の上に立つ王となる。


 これこそが本当の意味で皆を救う事に繋がるはずだ。


 また、今回の反乱を機に、各地の貧困地帯も「独立させる」。


 これを実現する為には莫大な金がかかるだろう。


 だが、幸いにも今の王国には大量の資金がある。

 

 これを使えば何とかなる筈だ。


 そして私が国王となった暁には、 奴隷制の廃止を始めとして、様々な政策を実行していくつもりだ。


 私はこれから、長い「改革の歴史」を歩む事になるだろう。


 だが決して諦めたりはしない。


 必ず成し遂げてみせる! ーーーーーー


「お父様……」


 娘のリリアナが心配そうな表情をしている。


 どうしたんだろう? 何かあったのか?


「大丈夫だよ。何も心配する事なんて無いさ」


 俺はそう言って娘を抱き締めた。


 この子は俺の宝物だ。絶対に失えない。


「愛してるよ……ずっと一緒だからね……」


 俺は優しく囁いた。


「えへへっ!」


 娘はとても嬉しそうだ。本当に可愛い子だなぁ……。


 ………………


「おはようございます、あなた♡」


 妻が起きてきたようだ。


 寝起きの妻。


「ああっ……凄く綺麗だよぉ……」


「ふふっ、ありがとう」


 妻はとても美しい女性だ。


 透き通るような白い肌。


 艶やかな黒髪。


 大きな胸とお尻。


 細い腰回りに滑らかな脚線美。


 まさしく完璧な美しさだ


「今日も朝から良い夫婦になろうね!」


「はい♡勿論ですわ♪」


 妻は笑顔で答えてくれた。…………


 朝食を食べ終わった後、娘を庭に連れていった。


「うぅん〜!気持ちいい風ですね〜」


 娘は大きく伸びをして言った。


「ああ、とても爽やかだね。こんな日はピクニックに行きたいものだな」


「はい、行きましょう!」


 妻は快活に返事をした。


「お弁当は何が良いかな?」


「私はハンバーグが食べたいです!」


「じゃあお肉屋さんに行って材料を買ってこようか」


「はいっ!」


 こうして俺たちは近所のお肉屋さんまで行った。


 ……


「おじさんこんにちは」


 店に入ると店主が挨拶してきた。


「おお、お前らか。よく来たな!ところで今日は何を買うんだい?」


「うちの娘の為にハンバーグを作りたくてね」


 俺は妻を見て言った。


「ほほう!そりゃあいいな!それで何を使うんだい?」


「いつものお店で買おうと思ってます」


「あれま、あの店かい!?」


「はい。いつも美味しい物を作ってくれるんですよ」


「そいつは楽しみだねぇ!」


 そんな話をした後、買い物を済ませて家に帰った。


 ……


 昼食の後、家族3人でお茶を飲みながら一息ついた。


「ふう、食後の紅茶は格別だねぇ」


「本当ですね」


「お母さんの入れたハーブティーは世界一おいしいのです!」


 3人とも幸せを感じていたその時だった。


 突然、家の扉を叩く音が聞こえてきた。


 ドンッ ドンッ


「誰だろう?はいはーい」


 俺が出ていこうとすると、妻が止めてきた。


「待ってください。私が出ていきます」


「分かった。気をつけてね」


 妻の背中を見送ったあと、しばらくすると 外から悲鳴のような声が聞こえてきた。


「きゃああぁぁ!!」


 急いで外に出ると、そこには血まみれになった妻と娘の姿があった。


 そしてそれを見た瞬間、俺の意識は暗くなる。


「……ちゃん、お父さん。ねえったら!」


 はっと我に帰ると、目の前には娘の顔があった。


「どうしたんですか?急にボーっとして」


「ごめん、少し考え事をしていたんだよ」


「もう、しっかりしてくださいよ」


「はは、面目ない」……先程までの出来事は夢だったのか。


 それにしても嫌な悪夢を見てしまったなぁ……。


 でもあんな事が起きる訳が無い。きっと大丈夫だ。


 ……


「よし、では早速始めようじゃないか」


「はいっ!」


 俺は奴隷達を前にして宣言する。


「これより、奴隷解放令を実行する!」


「奴隷解放令」それは、奴隷解放に関する命令である。


 これは奴隷を持っている者に対し、奴隷を解放しろという命令である。


 当然反発はあるだろうが、それでも奴隷を持つ者は大多数が貧乏貴族や豪商であり、奴隷を解放する事で「幸福な国」を作る事が出来る。

 そして全ての国民を救うのだ!


 …………


まずは手近にいる者から解放していく事にしよう。


「おい、貴様の名前はなんだ?」


「えっ?私のですか?」


「そうだ。早く言え」


「はい。私はリリアナと言います」


「そうか、いい名前だな。……では、今すぐこの場で服を脱げ!」


俺は強い口調で言った。


「えっ!?どうして……」


「脱げと言っている!」


「ひっ!」


俺は剣を抜き、それを娘の首に押し当てた。


「死にたいのか?」


「はい……分かりました……」


そう言うと彼女は服に手をかけた。


 ……


「これでよろしいでしょうか?」


「うむ、悪く無いぞ」


彼女の体はなかなか魅力的だ。


大きな胸、引き締まった体。


白い肌はまるで絹。


「ふーん、まだ子供なのに随分立派なモノを持ってるんだね」


「…………」


娘は何も言わずに顔を赤らめている。


「どれ、味見をしてみるかな」


ペロッペロッ!チュパッチュパッ!! ……う〜ん、やっぱり若い


「さて、次は君だな」


「はっ、はい!」


「名前は?」


「私はクレアといいます!」


「そうか、いい名だな。……では、今すぐに服を全て脱いで裸になれ!」


「えぇ!?」


「ほれ、早くしろ」


「わ、わかりまし……」


「何をしている!さっさとせんか!」


俺はつい怒鳴ってしまった。


「ひぃ!ご、御免なさい!」


クレアは慌てて服を着て、下着も全て外した。


 ……


「よし、では始めるとするか」


俺は剣を振りかざすと、そのまま勢いよく振り下ろした。


「ぎゃあぁ!!」


「うぐぅ!痛い!やめて下さい!」


「お願いします!何でも致しますからどうか命だけは!」


「黙らんかぁ!殺すぞぉ!」


「うわぁぁぁ!!!」


俺は更に強く剣を叩きつけた。


「い、嫌だぁ!助けて!」


「誰か!誰か居ませんか!?」


「無駄だ。誰も来はしないよ」


「そ、そんな……!」


「さて、ではお楽しみの時間と行こうかね」


「や、やめてくれぇ!」


「くっくっく、安心したまえ。優しくしてやる」


「い、いやぁぁぁ!!!」


 ……こうして俺の奴隷解放令は無事終了した。


ちなみにその後、俺がどうなったかというと


「ああああぁぁ!!」


ブシャァアアッ!!!


「ぐうぇえっ!!」


ズザザザーッ!!!


「ゲボォオオッ!!」


バタッ……俺は血反吐を撒き散らしながら死んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

楽に幸せになる方法 !~よたみてい書 @kaitemitayo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ