隙間風からの贈りもの。

ももいくれあ

第1話

振り向いたその先に、遠くの海が見えた気がした。

優しかった春風が、爽やかな秋風が、いつでも少し後押ししてくれた。

勇気が出なくて、丸くなって、ちぢこまって、かじかんだ。

震える手を温めたくれる、そんなコトバをかけてくれた。

夕焼けに反射して、眩しくって、少し泣けた。

窓ガラスに映る景色が、どんどん変わっていった頃、

少しずつ、ほんの少しずつ、呼吸に隙間ができてきて、

触れ合う肩が遠のいっていった。

気がつけば、薄明かり、月夜に並んで歩いたコト、

思い出になって、懐かしくて、キラキラしていて、少し泣けた。

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隙間風からの贈りもの。 ももいくれあ @Kureamomoi

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