第3話 陰謀

ーッドカァァーーーンンンッッッッ!!!!ー

王都に轟音が鳴り響き、辺りは黒煙に包まれる。

道にはガラスの破片や建物の瓦礫が散乱し、

あちこちで人のうめき声が…。


「がっ!はっ!」

『な、何だっ?!何が起こったっ?!』

レインズは事態が飲み込めない。

両親とレインズは王城で、国王陛下と婚約者の王女ナルコシアと会食した帰りだった。

両親と共に馬車で王都の大通りを走り、

脇道に入った瞬間、轟音と衝撃がー。


気付けば馬車から放り出され、

硬い石畳の街路に叩き付けられていた。

「っ痛っ!」

全身に鈍い痛みが走る。

だが、彼は立ち上がろうと左手を地面に突き…転ぶ。

左腕の負傷が激しいのだろう、体を支えられない。


「くっ!」

左腕の状態を確認しようと、首を向けようとすると激痛が走る。

ゆっくりゆっくり、首を左に向ける。

「!」

血で欠けた視界に入ったのは、

石畳の隙間に突き刺さる大きなガラスの破片。

そのガラスに切断されたであろう、自身の左腕。

そして、そのガラスに映る自分の顔。


花の#顔__かんばせ__#と吟遊詩人に唄われ、

国中の女性を虜にしたその顔は、

無残にも額から左頬までザックリ裂け、血が溢れている。


『…これは…夢か…悪夢なら覚めてくれ…っ!』

レインズは心の中で叫び、そして痛みのために気を失ったー。


つづく

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