閑話 ある木壁遺跡の話 三

 本施設に新たな亜人の侵入を確認。

 数は12、全員が刀剣にて武装。

 背格好せかっこうと先日の個体名ハモンおよび個体名ユウゲンの会話より本施設の調査隊と推察すいさつ


 警告用にスライムガードを展開。

 攻撃を確認。

 侵入者12名の内、11名に指示を出す隊長らしき1名は理法を行使する。

 理法によるスライムガードの体積の欠損けっそんを確認。


 本施設防衛要項にのっとり侵入者へ攻撃停止の警告を開始。

 侵入者は警告を無視。スライムガードへの攻撃を続行。


 打開策を模索。

 個体名ハモンの電磁特性は周囲の亜人への精神性に干渉するものと推察。

 提案。

 個体名ハモンの電磁特性を利用し亜人の攻撃性低下を図る。

 しかし個体名ハモンの電磁特性の詳細しょうさいは不明。調査の為に個体名ハモンの捕縛ほばく必須ひっす


 周囲の亜人へ体内ナノマシンを利用しての本施設使用法を理解させる干渉は不可能。

 妥協案だきょうあん

 指令を受け付けるナノマシン保有生物に個体名ハモンの捕縛を指示。


 該当がいとう生物の検索が完了。

 山間部開拓かいたくいのしし型生物オオクニ、耕作こうさく百足むかで型生物ガムリおよびアムリ、その他多数。

 戦闘能力の最も高いオオクニを司令塔として使用。個体名ハモンが居住すると推察すいさつされる都市へ派遣。


 本施設は人型用であり非人型生物に対する適切な指令は出せない。

 その為、本施設の意図通りに非人型生物が動く保証は無い。

 しかし本施設への敵対行動の阻害は可能。

 非人型生物に対し指令を出しても本施設に被害は無いと判断し命令を実行。


 侵入者はスライムガードへの攻撃を継続けいぞく

 本施設防衛要項にのっとり、機密情報保持ほじの為に本施設の自爆を実行。


 カウント3、2、1――

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