第六幕 捕物の最中
そんな彼女を見て少しの
夜は妓楼の
最初は
「兄ちゃん新しい商人か? やっぱ外から来た商人は
「なっはは、分かるかい? 俺はギンジってんだ。いずれ
大通りには旅商人たちが自分の
ただ声は掛けられない。
ここは帝都。
常に問題に満ちている。
「またか」
今もハモンの目の前で
茶革羽織の男が
その勢いで老婆が転びかけていた。
間に合う距離だ。
周囲の目も気にせずに地面をブーツで蹴り老母に向けて飛び出す。老婆が倒れる直前に腰に腕を回して
「ぎゃっ!?」
「……
「え? あれ?」
返答を聞く前に腕で押して起こし、直ぐに
人混みの中を逃げる為に物取りの逃走は遅いかと考えたのだが想像以上に速い。
老婆から
地上を行っても追い付けないどころか見失う。
「誰か! 物取りよ!」
老婆が大きな声を出して物取りを
そう判断してハモンは物取りを捕らえるよりも見失わない事を目標とした。
商店の壁に
人混みを逃げる
下手に路地に入れば
お陰でハモンは物取りを見失う事無く追う事ができるが捕らえようと地上に降りれば直ぐに路地に逃げられるだろう。
雪道を数ヶ月に
屋根の上を
帝都は広い。
大通りは人混みを掻き分けながら走るとなれば
大き目の
「ユウゲン! 紺の
屋根の上、走りながらハモンが大声で伝えれば
岡っ引きを示す
「
聞き慣れない単語だがユウゲンの
不思議な
そう思っていたハモンの前で見逃せない事態が起きた。
帝都の大通りを作る整えられた
ユウゲンが蹴った部分が割れた。
人間の力ではない。
背後から物取りの茶革羽織を蹴り飛ばし、飛翔の勢いで追い抜きつつも物取りの首を背後から掴む。そのまま引き摺り倒して石畳の上を滑りながら着地する。
あれでは物取りの顔は
そう思ったが、滑った
大の男二人分は滑った筈で、同じ事をハモンがやれば確実に
どんな
茶革羽織の
大の男をユウゲンは
重さを感じさせない
「羽模様の白革羽織、
「ああ」
「協力感謝する。こ
「仕事の時間が近い。褒美欲しさでもない。捕らえたのはお前だ。忘れてくれ」
「むぅ、それでは
ユウゲンの
そちらにユウゲンの意識が
思わぬ
礼を
しかも
会おうと思えば直ぐにでも会えてしまう。
それでも人前で目立つ事を嫌ってハモンは大通りを離れた。
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