第五幕 最後の夕食
ハモンの
村の
あまり量を買い込んでも運ぶ為に別の袋が必要に成る。それに冬が明ける直前の村で食料の
昨晩の内に村長と定食屋一家には伝えたのだが最後の
困る事は無いので
一階ではやはり定食屋の
何となく
自分の
剣の
日中はアムリ退治をしていたので空腹感は有る。だが夕食が無くともこのまま眠る事はできそうだ。
そう考え始めた頃、一階の喧騒が聞こえなくなった。
宿泊して数日だが
嫌な予感に腰を浮かすと軽い足音が
つい
ただイチヨが襖を開けるのが先だった。顔一杯に笑みを浮かべた彼女がハモンを
「剣士様っ、お夕飯、食べるよね?」
「ああ」
部屋の奥に固めていた荷物に
やはり他の客が
「お待たせしました、剣士様」
「さあさ、旅の安全を
机を見れば米、味噌汁、卵焼き、
「
「頂きますっ」
「はい、召し上がって下さい」
「米はお代わりも有りますからね、
最初は人見知りしていたイチヨだが慣れてからは振り回される事も多かった。こういった少し強引な面は母親似なのかと思いつつハモンは
最初は
ただ妙に視線を感じ手を止めた。正面の店主だけではない。奥方も、イチヨすら自分に
何か普段と違うのだろうかと気になり、ふと卵焼きを見た。
米は
だが卵焼きだけは少し形が
そして横を見れば期待した
「
「やった!」
無邪気に喜ぶイチヨを見て苦笑する両親は気付いているのだろう。
この卵焼き、悪くはないが店に出す品ではない。
だがハモンも悪い気分ではない。
確かに美味い。
技量以上に大事なモノが確かにこの卵焼きには含まれている。
最後の夕食に心から満足し、
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