第3話

私が先輩に出会ったのは約3年前。

転入生として中学校に2年生から登校し、いじめにあってるのを助けてもらったのが私が先輩と出会った日。


お母さんが不倫してお父さんと離婚。

私はずっと気にかけてくれて何かあったら私のことを心配してくれるお父さんが大好きだったことからお父さんについていくことにした。

実際はお父さんとお母さんが親権について話し合ってお父さんが折れなかったからお父さんについていくことになったのだけれど。


まぁそれで家も引っ越すことになって中学校も転校した。

新しい中学校では片親だのボッチだの言われた。

それだけなら良かったが、靴の中に画鋲を入れられてたり、体操服を水浸しにしたあと教室のゴミ箱に捨てるという典型的ないじめにあっていた。

そのいじめに対して私が何も言わなかったことからか、いじめっ子たちのいじめはヒートアップしていった。


転入してから約3ヶ月がたった頃私は校舎裏に呼び出された。

その日は何故かいじめを受けることなく一日が過ぎていった。

いざ帰ろうとして下駄箱から靴を出すと一枚の手紙が落ちてきた。


『椎名 柚葉さん、あなたに伝えたいことがあります。放課後校舎裏に来ていただけませんか?』


手紙には女の子らしい丸くて小さな字でそう書いてあった。

一瞬告白でもされるのかと思ったがその手紙をみて告白ではない別のなにかだと思っった。

いじめを受けていないことに対する疑問はいつの間にか消えていてとにかくどんなことを言われるのかが気になりすぎて少し小走りで校舎裏へと向かった。


「遅かったじゃない」


校舎裏で待っていたのは私をいじめていた5人の女子だった。

あぁやっぱりそうだった。

頭の片隅にはあった。

今日大きないじめを計画していて、それの準備があったから朝から今まで何もされないんじゃないのかって。

その通りだった。


毎日毎日いじめられてたから分かることだったのに。

何してるんだろう。

そんなことを考えているといつの間にか手と足を掴まれていて頭の上には水がたくさん入ったバケツがあった。


自分の持ち物にはなにかされている事があっても、自分自身になにかされることはなかった。

今日で最後になるのかなと思うと少しホッとする自分に恐怖を感じた。

でもやっぱり怖くて泣きながら目を瞑った。

何秒経っても水はかかってこなて目を開けると一人の先輩がいた。

その先輩はびしょびしょに濡れていて自分の代わりに水を被ったのだと気づく。

周りにはもう5人のいじめっ子はいなかった。


先輩は涙を流している私にこう言った。


「大丈夫だよ。君がイジメられることはもうないから」


私が高接先輩に恋をしたのは多分この瞬間だと思う。

それ以降先輩と話してはないから。



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誤字をやっと訂正しました

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