第五話 全員集合!! そして休息
雪嶺との騒動があってから数分後、とりあえず雪姉ぇは落ち着き、逃げ出した祐葉たちとも合流した。
逃げた三人には色々と言いたいことがあるけど、とりあえずゴタゴタしてて忘れてたけど一つ気になっている事があるので捜索前に貴船と一緒にいた澁鬼に聞くことにした。
「ねぇねぇ、そういえば
「さぁな。俺たちも序盤で分かれたから、どこまで行ったのかは知らん」
雪姉ぇと澁鬼は途中まで貴船と一緒だったけど、まさかすぐに別行動だったとは。
再集合する時間も伝えてなかったから何か起こってなければ良いんだけど...。
何となく貴船の顔を思い浮かべていると後ろからフッと風が吹いたような気がして後ろを見るとーーー
「お探しの顔はこちらですかお客さん?」
「ぎゃああああああああ!!!」
ゼロ距離という言葉が相応しいその場所に、僕たちが探していた最後のメンバー、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「にしても、あんまり大きい声出すと、盗賊とか獣人に居場所がバレるぞ佐斗葉」
「誰のせいなの誰の!!!」
本当に今日は蹴りやお仕置きを喰らうわ恐怖で叫ぶわで全くもって心臓が休まらない......。
「ま、さっきのも冷静に対処するこったな佐斗葉」
驚かせた張本人である貴船は飄々と笑う。
相変わらず掴みどころが無いなぁ...。
僕たちグループのリーダー格。
雪姉ぇよりもちょっと背が高く、かなり華奢な体格。
ジト目で常に飄々とした超キレ者。
ほぼ白に近い薄い金色の髪は肩を越すのでパッと見女性にも見えるけど、れっきとした男性。
「にしても貴船はどこに行ってたの?」
長らく姿が見えなかったのでちょっと心配してた事も告げ、ともかく僕は理由を聞く事にした。
「まぁ、ちょっと狩猟にな」
相変わらずあまり多くは語らないんだから...。
何となくこれ以上聞いてもはぐらかされそうな気がしたので追求するのは止めることにした。
「それより、夜の見張り順を決めとこう」
貴船は僕が追求してこないのを察したのか話を変える。
旅をしている以上、休息はつきものだけど、いつ夜襲をかけられるかも分からない。野生動物や盗賊よりももっと厄介なのがいるしね...。
そんな訳だから誰かが見張りをして交代ごうたいで仮眠を取る。
とりあえず僕らはじゃんけんで順番を決めた。
最初の見張り番は澁鬼。理由はじゃんけんで負けたから。
ちなみに澁鬼はすっごく運が悪くて、毎回貧乏くじを引いたり、7人じゃんけんも一発負けをしたりと、とにかく持ってない。
むしろ僕らの不運も吸い取ってるんじゃないかと思いたくなる。
澁鬼を見送った僕たちはそれぞれの場所で休息を取る。
僕は何かどうにも寝付けなくて近くにいる祐葉に声をかける。
「ねぇ祐葉、あの噂ほんとなのかなぁ?」
「あぁあれか。どうなんだろうな、実際にこの目で確かめない限りは何とも言えないがな」
「そうだよね......でも実際に会えたら聞きたい事がいっぱいあるから、ほんとであって欲しいなぁ」
僕たちが旅をする理由はある人たちに会いに行くため。
今この世界が直面している問題を、その人たちの力を借りることが出来ればどうにかなるかもしれないのだ。
そんな希望を持ちつつ、拒絶されないかという不安もある。
でも一刻も早くどうにかしないと被害が更に拡大してしまう。
無論僕ら自身も気をつけないといけない。
人の仮面を被り、人を喰う獣ーーー
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