第6話 アネモネのペンダント
ローマの
「ゴレイアス、何という
アグリッピナの
「
ゴレイアスにそう言われても、アグリッピナの言葉の勢いは止まらない。
「
アグリッピナの
「
それを聞いたアグリッピナは、
「私もローマの女です。あのような
その
ローマを憎んでいると思っていたが、それは今の
この女にとっては、島に住むアトランティスとは
その蛮族にローマ軍が屈するのは許せぬと言う事か。
それにしても、ローマ
自然を
この女、
アグリッピナにどう
そして、ローマからゴレイアスに
部下の
「何かあったようです。この話は、
部屋から
そして部下を振り返った。
「何かあったのか?」
部下は、
「
部下の
「そんな
投げやりな口調でそう言ったゴレイアスに向かって、
「それが…。女が身に付けていたペンダントを見たポンペイの
それを聞いたゴレイアスの
「アトランティスだと…。直ぐにその女を
見たところ
しかし、
そんなアネモネの顔を見たゴレイアスは、ほぅと息を吐いた。
これは、
これほどの女、ローマの都でもそうそう見つける事は
そう思いながら、ゴレイアスはアネモネの横に立った男に眼を向けた。
それは、ポンペイの
ゴレイアスは、
「この娘をアトランティスの民と言ったそうだな。どうしてそのような事が分かるのだ?」
そう
それは、
ペンダントには、細い
「この娘が身に付けていたものです。実はこれと同じものを見た事があります。このペンダントは、恐らくオリハルコンという
オリハルコンという名を聞いて、ゴレイアスの
「どうして、これがオリハルコンで作られていると分かるのだ?」
「私が
その
そして、
長老の前で、ゴレイアスが
「どう言う事だ。
ゴレイアスに問われた長老は、
それが持ち込まれたのは、ポンペイのある
そこに
そして金の代わりにと差し出したのが、これと同じペンダントでした。
このようなものでは金の代わりにならぬと言う娼館の者とその男が言い争う場に、たまたま
その後、その男からペンダントの
そのペンダントは、その男の家でずっと
その男の家は、昔からそれなりの
ペンダントは、男の
そして、これはオリハルコンという
オリハルコンと言えば、アトランティスにしかない
私は、ペンダントを
私は、ペンダントがオリハルコンで作られたものと
そのペンダントと全く同じものを、この娘が身に着けているのを見た時には驚きました。
しかもこの娘は、海の向こうから流されて来たのです。
それで、きっとアトランティスの民に
オリハルコンとは、
しかも、目の前にあるこのペンダントがオリハルコンで作られたものだとは…。
ゴレイアスは
ペンダントには、傷ひとつ付かなかった。
それを見たゴレイアスは、
オリハルコンを手に入れようとしたのだな。
どうしてオリハルコンを欲したのかについても、
ゴレイアスは、目の前に立つ長老に向かって言った。
「この娘、我が
それを聞いた長老に、
「心配するな。
そう言ったゴレイアスは、長老の顔を
「それに、ポンペイの考えている事。俺が
ゴレイアスの元を
「何、アトランティスの民が
「うむ。ペンダントの事を口にしたのは
「何なのだ?」
「漂着した娘の事も、オリハルコンの事も、ローマには
「どうしてだ?ローマの
「ローマにそれを知らせても自分には
「ローマからの
「執政官の
「
そう言ったゴレイアスは、アネモネを残して
暫くして
しかし、どうも
しかも、自分が今いるのは
自分は、とんでもない所に来てしまったようだ。
すると、
アネモネは寝台の
すると、その人物がアネモネの前に歩み寄り、口を開いた。
「少しは顔に血の気が戻ったな。俺はポンペイの執政官で、ゴレイアスと言う。今から、お前の取り調べを行う。
アネモネは仕方なく、黙ったまま小さく
するとゴレイアスは、部屋の中にあった
「先ほどの
先ほどの会話を頭に浮かべたアネモネは、
「はい。私はアトランティスの者です。島の
するとゴレイアスは、
「これは、お前の持ち物に
ポンペイの浜辺で発見された時に、自分が身に付けていたので、これも
「はい…。私のものです。」
アネモネの
「では、これから
その問いに対しては、アネモネは首を横に振った。
「いえ、そのような事、何も知りません。先ほどの
すると、ゴレイアスは椅子から立ち上がると、
「
ゴレイアスの
「何も知りません。オリハルコンとは何なのです。聞いた事がありません。」
するとゴレイアスが、声に
「アトランティスの民が、オリハルコンの事を知らぬ
「知りません。私は何も…」
そう言うと、アネモネは貝が
そんなアネモネを見て、ゴレイアスは再び
「いつまでも黙り通せるものではないぞ。まぁ良い。
ゴレイアスは椅子から立ち上がると、
そして、扉を開ける前に、もう
「お前が島に戻れる
アネモネの部屋を出たゴレイアスは、自分の
あれだけ言っておけば、いずれ自分から話を始めるだろう。
しかし、あの娘が俺の手の内にある事を、アトランティスにも知らせておく必要があるな。
さて、その
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