第5章 株式会社赤松碧波
これが現実、どうしてなのか?
碧波と瑠那は銀行に行って書類を提出するがどこもダメ。埼玉、東京と
ならばと山梨県を含め首都圏一体を回っても同じ結果。正直、マンガ家赤松碧波の名前ならすぐにでも融資を貸してくれると高を括っていた。
碧波に厳しい現実を突きつけられていた。悔しくて涙も出てこなく、一般の人からみたらそれくらいの評価なのかと落胆している。
隣を見ると一緒にいたはずの瑠那がいない。どこに行ったかと思い電話をかけるものの出ない。
しばらくすると碧波を呼ぶ声が聞こえる。
碧波、ハンバーガー買ってきたから近くの公園で食べようと笑顔で向かって来て瑠那に帰ってきてくれてありがとうと強く抱きしめる。
公園に行ってハンバーガーを食べつつ話していた。
ちょっと目を離しただけで昨日の友は今日の敵って酷いな。碧波ってかわいいところあるねと笑っている。
計画書を見直して再び頭を下げるかそれとも今のままで融資をしてくれるところを探すかどうするかと考えていた。変えると言っても何も思い浮かばない。
瑠那の顔を見つめつつ相談をしようとしたが何でもかんでも聞いているようではいけない。
自分で株式会社赤松碧波を設立しようと考えたなら自分でどうにかしないといけないと今のままで融資してくれる所を見つけようと考えた。
瑠那にまた明日、探しに行こうと伝えて解散をする。
そして碧波1人で羽田空港から函館空港に飛び立って誠心誠意頭を下げてお願いして回る。
函館信用金庫の支店長からの言葉に驚いた。
北海道の英雄、函館の星でもある赤松碧波様のお願いでしたら無償で融資で行う。
そして取引先に不動産屋もあるので事務所やアパートの話もしておきますと告げられて全面バックアップしてもらうことを約束し、書面で交わした。
函館から所沢に戻って瑠那に函館信用金庫から融資してもらうことを伝えるとおめでとう、函館に行く準備をしないと。次は事務所や自分たちの住む家を探さないとね。
それは大丈夫、取引先に不動産屋もあるみたいで全面バックアップしてもらうことも約束してもらって書面も交わしたと写真を撮ってラインで送信をする。
帰ってきた白翔に株式会社赤松碧波を函館ですることになった、事務所や住む場所はこれから探すと伝える。じゃあ仕事辞めて函館に一緒に行く、可能なら同じ会社で働かせて欲しいとお願いをされる。
碧波は来てくれるのに越したことはないけどコネに近いような形で入ったから編集社としっかり話して決めて欲しい。
白翔の決意は固く、辞表を提出して副社長として陰から支えることを決めた。
負担を軽く
瑠那と共に碧波は函館に行って構える事務所を探すべく紹介された不動産屋に行っていくつか内見をして函館駅周辺に構えることを決めた。
次に自分たちの住む場所を探そうとまた不動産屋に戻って見ていた。世の中不景気で物価が上がってるとはいえ、所沢と比較するとやはり安いなと感じていた。
賃貸で借りるでもいいが同じマンションで別部屋とかにすれば困った時にすぐに駆けつけられるし、来てくれた子たちに住む場所を提供出来ると考えて中古マンションを一棟書いすることを決めた。
事務所で準備を始める。
碧波は編集社に自分が掲載されている雑誌を全て次の住所に送って欲しいと事務所の住所を伝える。
装飾は瑠那が担当し、男の子が見てもカッコイイと思いつつも女の子が見てもかわいいと思うような感じにしたいとインテリアショップを駆け巡っていた。
途中、瑠那からの電話がかかってきた碧波。こういう家具がいいと思うと写真で送信されてきてシンプルだけどオシャレなものを見て予約するように伝えた。
順調に進めば年明けには出来そうだと見通しが立ち、家具の配置や必要な家電を揃えていた。このままでもいいが何か殺風景で寂しいな、どうしようと碧波が呟いた。
それなら赤松碧波の代名詞、「石岡杏子と子グマリナちゃん物語」のグッズを置いたら?オシャレでかわいい商品が多いから映えだし、私たちがここにいるのはこの子たちがいたからと再認識するにもいいと思う。
自分の描いた作品のグッズを置くのはどうなのかなと思う一方で瑠那の言う通り株式会社赤松碧波を設立出来たのも、全面バックアップをすると約束してもらえたのも紛れもなく「石岡杏子と子グマリナちゃん物語」と言える。
そう言った意味でも関連商品は全て揃えるのもいいなと考えてネットショッピングで一式注文をする。
数週間、ホテルと事務所の行き来をしていた碧波と瑠那。落ち着いて一旦所沢に戻ることを決めた。
白翔に
全員で函館の事務所に行く日を決めてどういう所で働くのか確認する目的で具体的に何をするのか、研修をするとグループラインで送信する。
事務所に入って女の子たちはかわいい、男の子たちはこのかわいい部屋の中で仕事をするの恥ずかしいと照れつつも研修に臨んでくれた。
研修最終日、企業理念について話していた。
全員でそれぞれのキーワードを基に代表取締役社長でもある碧波がこれにしようと決めた。
「函館から日本文化を海外に発信しよう」
拍手喝采でひと通り終えた。
その後、全員で海鮮丼を食べに行って帰りに函館山の夜景を見に行って函館湾と太平洋が美しい。結衣が気になって調べると日本3大夜景だが碧波もこの時初めて知った。
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