その行方は
振り返る
最初は1人で始め、高校生になって白翔の家に
そして函館から所沢に来てからアシスタントさんに来て手伝ってもらうようになってからは作品のクオリティーが上がってマンガを描き始めた当初には考えられない夢が沢山叶っている。
ここまで走り続けてこれたのは周りにいる人たちのおかげだと言える。お手紙やブログでコメントしてくれる人たち、賛否両論ありつつも自分の作品を見てくれているから頑張ろうとふるいたたせていた。
そう考えながらアシスタントさんの方を見ていた。自身の掲げた目標に向けて今日もネームを描いている。今見ている景色、これから見るかも知れない景色はどのように違うのかワクワクしている。
碧波はアシスタントさんの姿を見ると何故か涙が出てくる。携わってくれる人がいるから今の自分がいると実感する。
ちょっと碧波、どうしたの?泣いてるけど大丈夫?何か悩みあればいつでも話を聞くよ。そう声をかけてくれたのはアシスタントと広報兼務している瑠那。
悩みはないよ。赤松碧波というマンガ家がいるのは白翔やここにいるみんなのおかげ。そう考えたら涙が出てきてさ。改めてありがとう。
由依は手を止めた。相変わらず低姿勢だね。
人気マンガ家なのに
加奈からは常に気にかけて
拓人、真人、隼人からは同じような言葉をかけられる。碧波さんのアシスタントをして順位に貢献出来て嬉しい。
同世代だから話しやすいからなのかな、思いつつ改めて全員で作品を作っていることを実感する。自分で終わらせるのは寂しいと思いつつも決めたことだから最後まで走り抜けようと気持ちを切り替えた。
再び作品に取りかかる。次の週刊、月刊の順位が発表されて1位だったら次なる展望の株式会社赤松碧波に来て欲しいとお願いしようと考えている。
誰にどの仕事をお願いをしようかと色々な構想を練りつつマンガを描いている。
しかし、集中力が切れて何かをしながら別のことをやることは自分には向いていなと碧波は感じていた。
細かいところは実際に設立することが決まったらまた改めて考えることにしよう。器用に何でもできる瑠那が羨ましいと感じていた。
挑発の結果
週刊連続100週1位を獲得し、「石岡杏子と子グマのリナちゃん物語」が終わって寂しいと感じる碧波がいる。自分から周りにケンカをふっかけていて名残惜しいと感じる。
現場に置いてある子グマのリナちゃんが私の出番はもう終わりなの?いつもはかわいいという感情しかないのにその時は寂しそうに語りかけているように感じていた。
過去に連載が追いやられるように後ろのページにいって「従姉妹恋愛物語」を自らの手で終わらせたことがある。その時と人気と立場が違うとはいえ、同じ作品を終了させるのでも意味合いが違うな。
落ち着いたタイミングでアシスタントさんたちを呼んでオファーをする。
株式会社赤松碧波を設立しようと考えているからここにいる6人には社員として招き入れたいと考えている。業務内容としてはアシスタント兼事務職をしてもらうつもりなので検討しておいてほしい。
瑠那以外にはちゃんと話しておらず驚いた顔をして真剣に捉えられておらず、とりあえず考えてみますといったくらいだった。それぞれの進路が決まる前にまたお願いしてみよう。
月刊「新従姉妹恋愛物語」も瑠那から教えてもらった時から1年半が経ってこちらも1位を獲得して連載を終えた。数年に渡って走り続けてきたマンガ家生活もこれでピリオドになるがやりきった感じがする。
大学を卒業しても尚アシスタント兼広報として色々なことをお願いするくらい頼りにしていて次はマンガ家としてではなく株式会社赤松碧波として入って欲しいと頭を下げる。
瑠那からすぐに返事が来る。
え、そのつもりでいたけど。碧波の姿を間近で見ていたからこそずっと傍でサポートしたいと思っていた。逆に戦力にならないから要らないよと言われたらどうしようかと考えていたくらいと笑顔で答えていた。
その後由依、加奈、隼人、真人、拓人とそれぞれに電話をかけて直談判する。誠意を見せて断られたら仕方ない。それぞれの人生を碧波が決められない。
大学や専門学校に通っているのに辞めてついて行くと言ってくれる人までいて嬉しいのと同時にこの子たちを路頭に迷わせるわけにはいかにいと身に沁みる思いでいた。
まずは瑠那と共にホームページ作成を考えていた。
背景はカッコよく且つかわいい感じにした方が男女共に目につくとアドバイスをしてもらう。
融資してもらう為に碧波は瑠那と信用金庫に提出する書類を作成していた。
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