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独自コンテスト
アニメ制作の人員の中に講師の川越晴香を配置して育成をしている。永遠の駆け出し声優と呼ばれていた晴香ならこれまで色々な役を演じてきただろう。声優を目指す人たちにとってはうってつけの人物。
アニメのことは分からないから一任をしているが確認は碧波、そしてマンガ部門の人たちも確認をする。
どこをどうしたらいいか話し合う機会を毎週設けている。スタッフ全員で意見を言い合うのは大事だが、マンガ部門、アニメ制作部門両方にとって何かよくなることはないだろうか。
白翔から提案があると手を挙げた。
毎週もしくは毎月マンガ部門、アニメ制作部門それぞれの仕事場を入れ替わってどのように作られているか確認して作品をお互いに見合うのはどうだろうか。
マンガ家を目指す視点のマンガ、アニメ制作で作るアニメでは少なからず固定概念があると思うからそれを少しでもなくすようにしていけば気がつけなかった点もきっとあると思う。
それを聞いて碧波は確かにそうだ。自分自身マンガ家として描いていた時、どのようにアニメ制作されていたかという裏側を知らなかった。
その上でとりあえずやってみよう、マンガ家、アニメ制作と曜日を変えて何回かやってみて効果ないなら止めようと告げてそれぞれのスタッフ、そしてマンガ家と声優の卵たちに通達する。
マンガを描いている子達からはこういうプロセスでアニメ制作されて多くの声優さんたちのアフレコ、アニメ制作をしている子達からはネームを作るのにこんなに時間をかかるのかとそれぞれ意見が出た。
最後にアンケートでお互いのことを知るために毎週入れ替わって仕事場を見学することを続けるべきか聞いたところ満場一致で続けたいということになった。
スタッフたちには仕事を増やすようで申し訳と思いつつも株式会社碧波の中で独自コンテストをそれぞれ作って全員参加するようにする。
他のオーディションや連載以外で賞に応募したいと声があればそちらを優先してもらいたいがそうでなければ全員参加を必須と考えていた。
マンガ家を目指すのにネームが描けない、声優を目指すのに当日本番になって緊張のあまり声が出ないでは合格出来るものも出来ない。
次のステップに進みたいから他のところに行く、事務所と契約を取れたのでそちらに行きますと言ってもらう分には全然構わないと考えている。
ここを踏み台にしてもらってもいいからまずは数やらないと自信は付かない。そのために出来ることは何でもしよう。常に夢に向かって頑張っている子達の羽ばたいて活躍することを念頭に置いていた。
新たな試み
数年が経って事業規模も少しずつ大きくなりつつある株式会社赤松碧波。マンガ家を目指す子達は雑誌で自分たちの作品を見てもらえる場がある一方でアニメ制作では中々披露する機会がない。
アニメ制作として毎日スタッフから作り方を学ぶ子達、そして発声やどのような役でもなりきろうと頑張っている子達にも見てもらえる機会を作りたいと考えていた。
どこかホールを貸切にして見てもらうのはどうだろうか、そうするとどのくらいの規模で定員をどうすればいいか頭を抱えていた。すると由依が声をかける。
相談すると友達のお父さんが函館市民文化会館で働いているから声をかけてみるけどどういう作品を公開する予定なの?それによってお客の入りが変わるよ。
今まであるアニメを見てもらうのでは意味がない、やるからには大きくマンガ家の卵の中から選別してそれをアニメにする。終演後に制作した子達、声優の子達に登壇してもらいそれぞれ感想を述べてもらおう。
七夕の午後6時、函館市民文化会館で自分たちが主催する初めてのイベントを開催することを決めてネットや広告を打って警察の許可をもらって全員でチラシ配りをすることにした。
その甲斐もあって開場前から多くの人が並ぶ姿を見てホッとしていた。碧波からはひと言、晴れ舞台を作ったから気負わずに全力で頑張るように後押して時間を迎えた。
映画終演後、登壇するのが初めてで足が震えている様子を
自作のマンガを原作にアニメにするとはどういうことなのか、自作のアニメの評価はどうなのか全員それが気になって仕方がない。
お客さんにはアンケート用紙にマンガの原作本とアニメの感想、値段を付けるとしたらいくらかと複数の項目について書いてもらう。それは現状はどうなのかということを確認するためであった。
アンケート用紙を回収してホワイトボードに結果を記入していくとアニメで感動自信があったのに評価が低い、原作が面白くないと厳しい言葉が寄せられた。
だが誰も下を向かず次こそは面白いマンガを描く、家に帰って感動するアニメとは何か振り返ろうと先に進もうとしている。その姿に開催した意義を感じた。
碧波自身、今回お客さんが来てくれたのはあくまでも株式会社赤松碧波という名前があったから足を運ぶ人も多くいたと自負をする。
将来、赤松碧波は会社の名前であって作品を出がけているのは自分たちだと自信を持ってそれぞれの世界に進むことを期待していた。
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