第33話

 莉奈に何を話していたのかを話すと、思い出したかのように莉奈は言う。

 

 「あっ。そうだったね。先週の土曜日が試合だったんだよね」

 

 ・・・知らなかったんだ。少し違和感を感じた。好きな相手の試合にそこまで興味がなかったのかと。


 「ごめんね。本当は応援行こうとしたんだけど。生徒会の仕事が忙しくて行けなかったんだ」

 

 生徒会の仕事を聞き、勝手に納得した。

 てっきり、実は忠光の事が好きじゃないのかと思ってしまった。

 

 「謝らないでくれよ。暇人冬也は応援しに来てくれたし。俺・・・ぅぅぅ」

 

 急に呻く忠光。

 また、告白を失敗したのを思い出したな。

 

 「冬也は応援に行ったんだ。一人で応援に行ったの?」

 

 「え?・・・春を連れて行ったんだけど」

 

 「へ、へぇ。もしかして、春ちゃんと二人で行ったの?」


 「そうだけど」

 

 「なんで、私を誘ってくれなかったの?!」


 生徒会の仕事があったんだろ。と内心思うも口にはしなかった。恐らく、恋のライバルである春が忠光を応援しに行ったのに、莉奈は行ってない。春が行くなら私も誘えと怒っているのだと分かったからだ。

 

 「次から誘うよ。・・・それと話したい事があるんだ。放課後いいか?」

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