第1話
朝。
いつも通りに学校へと向かう支度を整えていると、インターホンが鳴った。
「おはよう。冬也。学校行こう」
隣の家に住む、幼馴染の莉奈が一緒に登校しようと誘いに来た。
* *通学路* *
「それで。昨日、何を相談されたの?もしかして、好きな人の相談。冬也に相談するって事は、冬也の幼馴染である私についてを聞いてきたんじゃない。・・・キター。私の時代!」
昨日、俺がファミレスで親友―忠光と、どんな会話をしていたのかと内容を尋ねてきた。
「次の部活最後の公式試合、応援に来てくれないかと相談されたんだ」
「・・・なーんだ」
がっかりする莉奈。
嘘である。莉奈の言った言葉の半分は正解であった。
昨日、俺は忠光から好きな人の相談をされた。だが、その好きな人は莉奈ではなく、まさかの俺の妹、春。
衝撃のカミングアウトだった。と、同時にここで忠光と春が付き合う事になったらいいじゃないかと思った。理由は至極簡単である。二人が付き合う事になり、莉奈が忠光を諦めて失恋となったら、その時は俺が・・・。
「ちょっと、聞いてるの?」
「え。あっ。ごめん聞いてなかった」
自分にとって都合のいい事を妄想していて莉奈の話を全く聞いていなかった。
「もう。じゃあ、初めから言い直すから。ドキドキ大作戦第一弾!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます