第1話 妹キャラってのは普通兄を想うものだろ?

 ──妹。

 それは必須ひっすと言っていいほど最近のラブコメでは重要なキャラの1人である。


 基本主人公が妹と結ばれることはない。


 だが、兄のことを一番におもい、辛い時には支えてくれる。


 妹とはそういうキャラのはずだ。


 「それに比べてお前はどうなってる、美穂」

 

 その言葉に隣でのんきに朝ごはんを食べていた妹が眉を細めた。


 「うるさい……二次元と三次元の区別をつけろバカ兄」


 そう──この日下部くさかべ 美穂みほという俺の実の妹は妹のモラルもなっていない妹まがいなのだ。


 もちろん実は兄のネッ友だったり、義理ぎりの妹で兄のことがずっと好きだったなんてこともない。

 

 「はぁ、初めはツンデレ系キャラかと思って見過ごしてやったが……一切いっさいデレを見せないとはどういうことだ」


 「その会った人全員にキャラ付けするのやめた方がいいよ」


 違うんだ妹よ……俺がそれをやめてしまえばこの物語は成り立たなくなるんだ。


 「じゃあ私もう行くから」

 

 「美穂、一緒に行かないのか?せっかく同じ方向なのに」


 「バカ兄と一緒に行くぐらいなら近くのおじさんと一緒に行く」


 「ちょっとまて、もしそうだとしても危ないから絶対にするなよ」

 

 「……」


 おい何だその間は。


 「じゃあ私今度こそ行くから」


 「お、おう。」


 そういうと、美穂は玄関げんかんの方へと向かう。


 しかし美穂はリビングのドアの前で立ち止まった。

 

 「あ、そうだ……私彼氏できたから」


 パリンッ


 あまりのおどろきに持っていたお茶碗ちゃわんを落としてしまった……


 「は?え、ちょっ……」


 「じゃあいってきます」


 俺が何かしゃべる間もなく美穂はすぐに家の外へと出ていってしまった。


 アイツめ……新学年そうそう爆弾ばくだんを落としていきやがって。


 そうこうしている内にもう俺も登校しなければいけない時間がやってきた。


 今日は俺の高校の入学式──妹が彼氏を作った以上俺も頑張がんばらなくては……!


 それとは別に妹には帰ったらくわしく話を聞く必要があるな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ここまでお読みいただきありがとうございます!

 いよいよ次回ヒロイン登場予定です!

 励みになるのでよければ☆・コメント等よろしくお願いします

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る