動物実験

@kanzakiyato

動物実験


この単語はきっと世の中の殆どの人が聞いたことある言葉だと思います。

自分たちの生活と密接に関わっているのに人々は動物実験について

ほとんど知らないというのが現状なんです。

動物実験とはその名の通り動物たちの尊い犠牲を通じて行われる実験です。

主に実験体として使われるのはごく一般的に知られているネズミやモルモット

だけでなく、ウサギ、犬、猫ヤギ、豚、馬、猿、鳥類、魚類など幅広く、

世界では毎年、推定1億1500万頭以上の動物が犠牲になっていると言われています。


『医学の進歩のため』『科学の進歩のため』

とこのような大義名分のもとで動物に毒を飲ませたり、化学物質を皮膚に塗ったり、

無理やり病気にさせたりして、心も体も痛めつけつけ用済みになれば殺してしまう。

それが動物実験というものです。


その実態は、内部告発や潜入調査などでほんの一部しか表に出ず、

依然として密室の中で行われ続けています。


動物実験は自分には関係ないと思うかもしれません。ですが周りを見てみると

自分達のごく身近なところでも動物実験が行われているんです。

例えば、社会人や多くの若者がメイクをしたりするときに使う化粧品。

普段から当たり前に使っている日用品。他にも工業用品や栄養学、心理学に教育、軍事兵器など色々な学問や軍事兵器までたくさんの分野で動物実験が行われています。


では、実験とはどのようなことをするのでしょうか。

例えば、医学における実験では、人間の病気に似た症状を無理やり動物の体内に作り出し、その動物を人間に見立てて実験をします。

ですが、これはあくまで人間に『見立てた』だけです。

そもそも人間と動物では体の構造や代謝機能の違いといった『種差』というものがあります。それに、人間の病気というのは遺伝や食生活、ストレスなど人間特有の様々な原因が複雑に絡み合っていることなどから、動物実験のデータをそのまま人間に当てはめることはできないのです。


人々は

『医学の進歩のために必要だ』

と思い実験を行ってきました。ですが現実には、その実験によって治ると証明、期待がされた薬や治療法によって数々の痛ましい薬害が引き起こされているのです。

その証拠として、バイオックスという鎮痛剤は心臓発作や脳卒中の発生率が増加したため市場から撤退した。バイオックスは米国だけで88,000から140,000の重症心疾患を引き起こしたと言われています。

他にも2006年に行われたモノクローナル抗体TGN1412の臨床実験では六人のボランティアが重症となり瀕死状態に陥った。試験前に行われた動物実験では臨床試験の500倍もの量を猿に投与していたにも関わらず、この重度の副作用を予測することはできなかったということもある。

このように、いくら動物実験をしていても、その実験結果が人間に合わなければ実験した意味はないに等しくなるのです。


近年、医師や科学者の間では

『動物実験で得たデータが、

 病気の治療に誤った知識をもたらし医学の進歩を遅らせている。』

と主張する声が高まってきていて、専門的見地から動物実験の過ちが指摘されています。


人間と動物の間には種差があり、多くの問題が起きて要るにもかかわらず実験を続ける。その行為は、果たして本当に正しい行為と言えるのでしょうか。


では、次に

私たちの身近なものに行なわれている動物実験の具体例について紹介します。


1つ目は90日間反復経口投与毒性試験です。

私たちが生きていく中で毎日消費される野菜や穀物、果物。それらを作るときに使う農薬の「安全性を調べるため」として生後4〜6ヶ月の子犬や、生後9週前のラットを使った実験が行われます。この実験では週7日、90日間農薬に使う化学物質を飲ませ続け、どのような影響が出るのか調べます。その過程で化学物質によって無くなってしまう場合もあります。そして、90日間もの長い実験に耐え、生き延びたとしても、最後にはデータを取るために殺され、解剖されてしまいます。


2つ目は眼刺激性試験です

例えば、シャンプーやマスカラ、制汗剤や日焼け止めクリームなど誤って目に入ってしまう可能性があるので、あらかじめ目に入ったらどのような障害がでるかを調べます。実験方法は健康なウサギを頭だけが出る拘束器に入れて無理やり開かせた片目に試験物質を入れたり、10センチの距離から約1秒間スプレーを噴射します。

試験ぶっしつをいれためにどのような障害が出るかを調べるため、最低でも72時間かけて経過観察します。つまり、ウサギは目に物質を入れられてから3日間も苦しみ続けるのです。そして、実験が終われば殺処分されてしまいます。


実験動物たちが痛みや苦しみから解放されるのは殺される時です。


3つ目は光感作性試験です

化粧品によるかぶれやアレルギーを調べるためにも実験は行われます。

化粧品の動物実験関係者が「最も過酷」という光感作性試験では

背中に試薬を塗られ板に縛り付けられUVランプにさらされたモルモットたちは

熱さと痛みで逃げようとして、「キュー、キュー」と泣き叫び失禁し脱糞する。

それを何度も繰り返す実験です。


最後に


動物実験は必要不可欠と思う人もいるかも知れません。ですが現在は、動物実験をしないで作れる製品が増えてきていて、実際に動物実験を廃止した企業もたくさんあります。動物実験をした商品を買いたくないという消費者の声の高まりによって社会が少しづつ変わってきているのです。最近では動物を犠牲にしない実験方法である大替法の研究も進められています。


ほとんどの実験動物は実験用に繁殖させられます。この子たちは生まれた瞬間からもう実験台として使われることが決まっているのです。

これを我が身に置き換えて考えてみてください。

たった一つしかない、尊い命としてこの世界に生まれてきたのに、痛みや恐怖などといった精神的苦痛、身体的苦痛を味わわされただけでその一生を終える。

それは、あまりにも残酷すぎる運命ではないでしょうか。

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