ミンカンスキー「セックス&ダンジョン! ! ~我が家の地下にH回数=レベルのダンジョンが出現した!?~」書評

 今回は「セックス&ダンジョン! ! ~我が家の地下にH回数=レベルのダンジョンが出現した!?~」という長いお名前のR18小説を読みました。商業出版のようですがセルパブっぽい感じもしますね。


 ストーリーをざっくり説明すると、主人公である斉野創平さいの そうへいは偉大な冒険家を両親に持つ高校生で、ある日家の地下室を発見します。


 両親は遠くへ冒険に出かけたまま不在ですが、これも血なのか、創平は地下室へと続く長い回廊を歩いて行きます。


 そこでこのダンジョンの説明書のようなものを発見するのですが、このダンジョンでは人間はセックスの回数によってレベルが上がり、より強くなっていくという設定が明らかになります。


 冒険家の血が騒いだのか、それとも単にセックスがしたかっただけなのかは不明ですが、創平はダンジョンで手に入れたアイテムの力を借りて、現実世界で担任の教師やクラスメイトを次々と陥落させていきます。


 少し前までは童貞だったくせにダンジョンで手に入れたアイテムを使い、ストーリーが進むにつれてジゴロの属性を手に入れていきます(笑)。


 ダンジョンで手に入るアイテムには以下のようなものがあります。


■夢魔が作りし鐘


 金属で叩いて鳴らすと、使用者の最も近くにいる者を十分間無意識状態にできる。対象には「何事もなかった」という記憶が捏造され、決してその記憶に疑問を持つ事はない。また、対象は無意識状態の間に起きた出来事を、その日の夜に夢で見る。


■渇望のエキス


 これを呑んだ女性は精液を飲み干したいという激しい衝動に駆られる。衝動が収まるには、エキス10ミリリットルにつき射精1回分の精液を要する。


 ……などなど。


 こんなの、悪用するに決まっているじゃないですか(笑)。


 エロいドラえもんと化した創平君は、最初にまさかの担任の教師である春町葉白はるまち はしらを筆おろしの相手に選び、そこから学級委員長の夏野姫依なつの ひより、その親友である秋津摩耶あきつ まや、そしてどうやら金持ちの娘らしい冬島緑糸ふゆしま えにしへと食指を伸ばしていきます。


 と、内容はなかなかエロエロだったりするのですが、これが面白い。


 アイテムの存在自体はファンタジーなんですけど、実際の活用法やら、抱かれた担任の春町葉白先生が化粧っ気の無いがさつな女から、「女の子」になっていくところが妙にリアルだったり(笑)、夏野姫依を守るために敵対心を笑顔の裏に隠していた秋津摩耶が、アイテムと創平の織り成す奸計でものの見事に陥落していくプロセスは純粋に読み物として面白かったです。


 当初は漫画で見つけて「何それwwwww」という感じで読み始めましたが、読んでみたら実に良く出来ているなと。私のおススメは漫画を読んでから小説ですかね。脳内で映像を展開しやすいので。


 小説の方はKU読み放題になっていますので、ぜひ読んでほしいですね。

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