第16話 ホームレス狩りを狩る
男は震えながら「ごめんなさい……ごめんなさい……真面目に生きるので……ごめんなさい」と言っている。
もうその時には俺は動き出していた。
「やめろてめえら!!!」
俺の叫びにそいつらは一斉に俺の方向を向いた。
「やべ、引き上げるぞお前ら!!」
そう言いだして逃げようとするがもう遅い。俺の足の速さを舐めるな。
まず一人、少し小太りの男子に跳び蹴りをする。勢いをつけたこともあり、小太りの男子は大きく吹っ飛んだ。そして少し前にいる痩せ型でのっぽの男に激突。のっぽの男はそのまま折れたかのように身体を折れ曲がらせて転んだ。このままだと俺の気が済まないので肩に向かってキック。
「いって~!!!!!!」
のっぽは絶叫して肩を抑えていく。
のこりは六人、思っていたよりこいつらは足が遅い。
だから俺も簡単に追いつける。
二人、どちらも中肉中背、そして身長は俺よりも低い百六十五センチ、なんとなく腕と同じくらいの高さだったので俺は両手を広げる。そのまま二人に向かってラリアット。そいつらはぎゃ、と小さく悲鳴を上げて、頭を抱える。
のこりは四人、だが、二人の近くにいたので、そのまま足が届く距離だったので近くにいたので思いっきり蹴る。そいつは盛大に地面に背中から打った。そしてもう一人もさきほどの奴よ距離が近かったので、ぐわしと襟を鷲づかみにした。そいつは俺の方を見る。もがこうとしたがそれを俺は許さない、そいつが、もがく前にぶん殴ってそいつを撃破。
のこりは二人、この二人は少し足が速かったのか、少しだけ遠くにいる。
だがこちらの足は六秒台の速さを誇っている。
だからお前らの速さなんて目じゃないんだよ!!
地面に両手を置き、クラウチングスタートで走り出す。
俺は瞬発力は自信がある。だからそいつらの背中ももう見えてくる。
そして一人を抜かす。そいつは抜かされると立ち止まって切り返そうとするがもう襲い。
裏拳でそいつの顔をぶん殴る。こいつも、ぶぎゃ、と情けない声を出して倒れていく。
ついでにこいつらの仲間の確認、確認した所そいつらは全員倒れている。
誰もあの男の人を襲っていない。
よし、じゃあ最後の男と思った時、背中から殺気を感じる。
俺が横っ飛びすると最後の一人がスタンガンを取りだし、突き出していた。
「ちっ」
俺が避けたことを確認すると、そいつは舌打ちする。
急いで逃げようとしても、俺の魔の手からは逃れられない。
思い出した。こいつは男に向かって『生まれてこなければ良かった』と言った男だった。
だから思いっきり拳を握るとそのまま渾身のナックルを繰り出した。
「ぐべら!?」
最後の一人は情けない声を出して転がっていく。
ふう、スッキリした。最後に男の人の安全確保だ。
俺は男の人に向かって走り出した。男の人は「ごめんなさい、ごめんなさい」とまだ言っていた。
「大丈夫です、大丈夫ですよ」
俺がそう言って起き上がらせても、男の人は、ひぃ!! と怯えている。俺が奴らの仲間だと思っているのか、それとも単純に俺が怖い顔をしているのか、分からなかったがこうも怯えられていると結構、傷ついてくる。
だが、このままではこの人の安全が確保できないので俺はその人をかかえて逃げ出した。
後ろを見ると奴らはうずくまったり、仰向けに倒れたりして苦しんでいる。醜いものだと思いながら俺はその人と一緒にその場を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます