第21.9話 犠牲の上に
『…さらに、もう少しで彼らの目的も掴めそうなんだ。同封してある写真を新聞社に。どこでもいい大手のだ。真実をみんなに。』
その写真を撮らなければ気づかなかった。殺さなかった。
そう言っても彼はシャッターを切るのだろう。
目的…。
俺考えたことなかったな。
衣食住の保障。
標的はより多くの人間のために殺すべき人間。
あっちでは俺が普通。
「考えられなかった。しょうがなかった。世界のためだ」
ソファーに体を埋めた。
俺たちが永遠の罪を背負い、死神になり、汚れ仕事をする。
俺たちの犠牲の上に平和がある。
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