第4話 猫の気持ちは……
その頃……成仏出来なかった猫の魂が入った、
おっさん猫は?と言うと、
おばあちゃんの居る自宅へと急ぎ足で駆け抜けていた。
事情を知らない街ゆく人々からは……叫び声があちこちから
響いていた……。
おっさん猫は、想い出の中の
おばあちゃんを探して
ひた走りしていた。
その時……おっさん猫は魚の香りに釣られて、魚屋の前まで忍び足で近寄る。
おっさん猫は、おばあちゃんに
魚の土産を持っていきたいだけだった。
おっさん猫が、店先に陳列してある、サンマを一匹咥えて俊敏に
走り去った!
だが。猫の魂が入ったおっさん猫は、もはや誰から見ても
頭のおかしい人である。
皆が悲鳴を上げる!
『ぎゃぁぁあ変態~~!!!』
『いやぁ~~近寄らないでぇ~~!!!』
『異常者よ~~!!!』
いつもより体の重い
おっさん猫は……魚屋の店主が
木刀を持ちながらも追いかけてくる。おっさん猫は……おばあちゃんに逢いたくて、逢いたくて、
必死に逃げるのだった。
何とか逃げ切れたおっさん猫は……おばあちゃん家の角まで来た。
ようやく、おばあちゃんとの対面だ。おっさん猫は甘えた声を上げる。
『ゴロゴロ……ゴロゴロニャー💕💕』
傍目から見ると
おっさん猫は……変質者である。
だが。目の見えないおばあちゃんは……死んだはずのミーコが
帰って来たことが分かったのだった。
おばあちゃんは……
『ミーコや?ミーコ?』
おっさん猫は、おばあちゃんに
返事するかの様に……甘え始める。
『ゴロゴロニャー。』
おばあちゃんは……目が見えなかったが。突然のミーコの訪問に
涙を流した。
おっさんの姿のままのミーコの
頭を、おばあちゃんは撫でながらも神様に感謝していた。
おばあちゃんは……ミーコの持ってきたサンマを焼いてあげた。
ミーコは、焼きたてのサンマの香りを嗅ぐと、
とても良いことをしたと思えた。
香ばしいサンマを、おばあちゃんは箸でつつきながらも、
ミーコの為に骨を器用に取って見せた。ミーコは……幸せそうに
サンマを、
『ウにゃウにゃ……。』と
食べていた。
おばあちゃんは、目が見えないので、ミーコがまさかおっさんの姿だとは分からずに……
ミーコは……大きいなぁ。
どうしたもんかねぇ??と摩訶不思議な出来事に……
お天道様に手を合わせていた。
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