第3話 調停者
第4.調停者について
1 調停者の働き
(1)調停者とは
調停者は地球世界からの来訪者には、『神』という概念が近しいと思われます。この世界における魔法力は強大であり、その揺れ動きは状況においてはこの世界自体を滅ぼしうる力を内包しています。また、その力は個人又は集団で対処するには巨大すぎることから、調停者がその調整の役割を担っています。
この世界における調停者の数は明らかではありませんが、少なくとも数百の調停者が存在しうるのではないかと言われています。
(2)調停者の作用
前述のとおり、世界には魔法の力が溢れていますが、その力は揺れ動いています。そのため魔法力が強い場所と弱い場所が存在します。この揺れ動きは何らかのきっかけがない限り、想定外に大きく動くことは少ないのですが、戦争やあるいは大移動、飢饉等に基づく生物死滅による生態系変化等、気候変動その他の環境的要因、精霊と呼ばれるものの気まぐれ、他世界からの過干渉等によってバランスが崩れる場合があります。
そういった事象が発生した場合、調停者が世界にアクセスし、世界を調整します。そのためこの世界では、調停者のおおよそは世界と同じものと認識されています。
調停者はその調整のため、またその他の様々な理由に基づいて世界に制限や特殊な範囲効果を設定することがあります。例えば一定範囲の場所はずっと夜だったり時間の流れが遅くなったりしています。これは世界の運航を目的として行われることが大半ですが、長い時間の経過によりその意義が散逸していることも多くみられます。
(3)調停者の所在
調停者はこの世界各地に存在します。おおよその担当区域が存在するのではないかと言われています。
その担当は場所により1人の場合もあり、数十人の場合もあるとのことです。必要人数を満たさず世界のバランスが崩れた場合は相互に連絡を取り合い、調整を行っているようです。
2.調停者の種類
調停者の多くはもともと人であったもの、人が作り出したものと伝わっています。
(1)真なる調停者
世界には極少数ですが、物理干渉の大凡を放棄した真なる魔女・魔法使い又は魔法博士と呼ばれる者、魔法干渉の大凡を放棄した真なる物理者または物理博士と呼ばれる者が存在します。真なる彼らは調停者と呼ばれています。
彼らはこの世界の理に直接触れ、干渉する存在です。その干渉の仕方はそれぞれの魔法行使の方法と同様、調停者によって異なります。
調停者は一般的なヒト及び生物と異なる理で活動しています。ですから、人のような姿形をしていたとしても、決してヒトと誤解しないようにご注意ください。そして、極力近寄らないことをおすすめします。真なる調停者は通常、人里に存在する可能性は乏しいのですが、各地の公共機関等で尋ねればその存在の有無を知ることができます。ヒトに好意的な調停者の場合は現地民と交流を深めている場合がまれにあります。ですから、現地民に質問することでその有無をしることができる場合があります。
(2)准なる調停者
前述の通り、真なる調停者はヒト及び生物の理から外れて行動しています。調停者の過半数は意思疎通が不可能です。そこでヒトと真なる調停者を取り持つための准なる調停者が存在します。
准なる調停者は真なる調停者のもとでその有り様を学んでいる者や、なんらかの理由で真なる調停者となった者の家族、時には国の役職として存在します。
(3)お触れもの
調停者は世界を観測しその有るべき姿を保全するために世界を観測しています。そのために調停者は精霊、式神、呪詛、妖霊、根、元素等を用いて世界を観測しています。それらは世界に触れるものという意で「お触れもの」と呼ばれています。通常性状な働きを営んでいるヒトは「お触れもの」に干渉することはできません。
3.調停者会議
この世界に危機が迫った時、又は定期的に、あるいは気まぐれに、調停者はこの世界の深き所で会議を行っているようです。複数の場所で同時期に准なる調停者に接触した際、複数の調停者が不在にしていることがあったとの事象が時折観測されます。
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