第2話 地勢と魔法行使方法

第2.地勢

 1.国勢・地理

 この世界にはたくさんの国や地域、小規模の集落があり、あるいは個体単位で様々な営みを行っています。

 純粋物理のみの生物も、純粋魔法のみの生物も存在します。純粋魔法生物はその生存に魔法力を利用していることが多いため、純粋物理国家での生存が困難です。


 2.国家群について

(1)全般

 この世界では多くの生物が集団で生活しています。同種族が集まり住む場合も多種族が集まり住む場合もありますが、傾向としては下記3つに大別されます。

(2)物理的国家群

 この世界で魔法力がほとんどない場所では物理が発達します。物理化学や機械工学といった分野が発展しています。

 物理的国家群の中で作成された物理具のうち、てこやバネのような原始的物理具であればおおよその場所で使用でき、汎用物理具であれば中程度の魔法国家群での使用に耐えるでしょう。より先鋭的・高度な物理具は物理国家郡の中でのみ使用することが推奨されます。

 物理とは厳密な世界のことわりであり、魔法力の干渉がある場合には正しくその効果が発動させることが難しくなります。電子回路の前に待機した光の精霊が電子にいたずらをするような国では物理具は正しく作動しません。

(3)魔法的国家群

 この世界で魔法力の濃度が安定して一定値を超える場合は魔法が発達します。魔法に関連する技術も発達しますが、どのような発達が行われるかは国家や集落単位で異なります。そして魔法とはその文化やバックボーンから形成されるものであり、その同一文化圏を外れた場合、他の魔法力の濃度の高い地域に移動してもその理の違いにより、正しく作用しない場合が多いでしょう。

 魔法的国家群の中で作成された魔法魔法具のうち、例えば日の精霊を閉じ込めてランプにする等の原始的な魔法具は、魔法力がある地域であれば大凡のものが使用できます。火と風を閉じ込めて着火する汎用魔法具は最低限の魔法力のある地域では使用できるでしょう。けれどもより高度で複雑な魔法具や場所によって性質の異なる精霊を用いた魔法具は同一文化圏外では使用が推奨されません。

(4)その他の国家群

 この世界には魔法力が安定しない、または特定の魔法力しか存在しない、あるいは魔法力の構成自体が変動しやすい場所が多く存在します。

 その原因はただ単に地勢的に移ろいやすい場合、大精霊等といった変動要因が存在する場合、他世界からの干渉がある場合等様々ですが、変動することを前提に特殊な物理具または魔法具が開発されています。これらはその特殊性により、その文化圏以外ではほとんど使用ができません。

 けれども通常の国家群では思いもよらないその常識と発想は旅人を大いに魅了するものでしょう。


 3.種族及び部族について

 この世界の知的生命体には二足歩行のいわゆる人型の種族のみならず、様々な形態の種族が存在しています。

 地球世界でいうところのエルフやドワーフといった種族も存在しますが、地球世界では想定されていない様々な種族が存在します。

 各国の価値観に従い、それぞれの種族がどのように扱われているのかが異なります。例えばエルフについても、多くの国では特段の扱いの違いは見られませんが、国によっては高貴なものとみなされたり野蛮なものとみなされることがあります。これは人種も同様です。

 これは各国家によってその重視すべきものが異なるためです。


第3.魔法の行使について

 1.魔法概論

 魔法とは世界にアクセスし、その不可視の力を引き出すことを基礎とした現象を指します。

 その方法は古来から存在し、場所によって魔法、世界力、理の力、呪力等様々に呼ばれていますが、実態として同じ現象の異なる発露であることは近年まで知られていませんでした。現在ではおおよその国家群で共通認識となっていますが、異なる認識を持つ国家群も存在します。現代でも未分類の魔法的力が存在しますが、最終的には同一の現象であると予測されています。


 2.魔法の行使方法の多様性

(1)概説

 この世界には魔法力がまだらに分布しています。つまり、魔法が使える場所と使えない場所が存在します。

 おおよその魔法は、行使者が有するまたは準備した魔力を、対象となる『根源』または『魔法事象』に触れさせ、それによって様々な反応を引き起こすことによって世界に影響を及ぼす行為です。

 『根源』とはその魔法がもたらす本質です。例えば火の概念の根源は魔法力がある場所であればどこからでも同じ根源にアクセスすることができると考えられています。そのアクセスにはより強い魔法的素養が必要ですが、その引き出せる力は膨大です。

 『魔法事象』とはこの世界にあふれる魔法力が具象化したものます。火の根源から分かたれ世界を巡る火の力(その個別の力は精霊やマナ等と呼ばれることがあります)や焚き火やコンロといった現実に存在する火そのものの物理現象から、その本質たる媒体にアクセスするものです。行使できる魔法はそのアクセスする媒体の力や質量に依存します。おおよその魔道具は、火の力を閉じ込めたり、具体的な火を投入することでその力を引き出すものが多いです。

(2)魔力行使の方法

 魔法行使者及びその背景文化がどのように根源又は魔法事象を捉えているかによって異なります。

 例えば体に魔法陣を刻んで世界にアクセスして魔法を発動する部族や、体系的に解析された呪文(言霊)によって世界にアクセスして魔法を発動する部族、何らかの犠牲や依代を用いて魔法を発動する部族等があります。

 そしてそれぞれの部族が魔法を発動するために、魔法がより発露しやすいよう、文化に組み込まれている場合が多いです。例えば魔法陣を刻む部族は予めその魔法力を凝縮されたインクを用います。呪文によって世界にアクセスする部族はその言霊の中に魔法力を折込み、日常使用される言葉自体が魔法力を折り込みやすいように設計されています。都市開発の段階でそのような仕組みが組み込まれていることもあります。

(3)魔法干渉

 魔法行使の方法は文化によって異なりますが、多文化圏に移動した場合魔法行使が困難となることがあります。他の魔法文明の行使方法によるアクセス方法が禁止されている場所もありますし、特に魔法事象を用いる場合はその場所によってその魔法文明に基づく仕様が最適化されている場合が多いことから、他の魔法文明の魔法行使方法では想定より効力が発生しないという事象が多くみられます。

 そういった場合は変換のための魔法具をレンタルすることができる国も多くあります。

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