第42話 タチバナ的には③

 グランジに自動車を出してもらい、差し入れを買って病院へ行くと、そこには個室で点滴をされぐったりと寝込むジンがいて二人は衝撃を受けてしまう。


「ジン、大丈夫……?」

「で、殿下。なんできたんすか……」

「ジンさん、ぼろぼろじゃないですか」

「ヴァルサスさんまで…、」


 顔の傷は、小さな絆創膏が張られ、両腕は包帯が巻かれている。熱の為か汗がひどく額と首元には冷却シートがみえた。


「……殿下、こんなん耐えたんですか? やべー……」

「同じなのかな? 分かんないけど」

「見かけによらず我慢強いですよね、殿下……」

「そうかな?」

「俺は無理……またセスナさんに読まれる」

「そんな常時読みませんよ」


 ノックがなく個室へ入ってきたのは、ジンに着替えを持ってきてくれたセスナだった。彼は手に小さな袋をテーブルへと置いてくれる。


「解熱剤ほしいって聞こえたので持ってきました」

「めっちゃ読んでるじゃないすか……!!」


 水までだしてくれるのは【読心】だからこそなのだろう。酷く悔しそうに介護されているジンが新鮮で、キリヤナギは思わず観察してしまう。


「殿下、ご挨拶が遅れた無礼をお許しください」

「ううん。大丈夫、セスナもジンの為にありがとう」

「いえいえ、ジンさん。殿下のことばっかり心配してたので……来てくださって僕も嬉しいです」

「勘弁してください……」


 再び寝かされても辛そうなジンも珍しい。思えばキリヤナギは、彼がこうして寝込んでいるのを見るのが初めてだった。


「殿下は、大丈夫すか?」

「僕?」

「なんか辛そうなんで……」

「王子、そうなのか?」

「それは……少し」

「俺は気にしなくていいんで……」

「やだ」

「……」


 真顔の即答に全員が反応に困っていた。セスナは何も言わずにお茶を入れリンゴを剥いてくれる。


「まぁまぁ、ジンさん。誰でも寝込むことはありますから、ここは完治するまでゆっくりしましょ」

「ジンって割とゆっくりするの好きだと思ってたのに……」

「そんなことないです……」

「敵、強かったんですね……」

「舐めてました。自業自得……」

「ジンさん、それは自分で言う言葉じゃないですよ」


 うーんと唸るジンの心は、セスナへ筒抜けだった。普段から心を閉ざし、人への興味が薄いジンは【読心】を持つ能力者に対して付け入る隙を見せてはくれなかったが、ここ数日はうっすらと読めるようになり、熱が出ている今は手に取るようにわかってしまう。


「仰らなくても欲しいもの持ってきますので、気楽にして下さい」

「うっ」


 ジンは甘いリンゴが好きだと聞こえセスナは少し嬉しくもなっていたが、反対にキリヤナギの心が読めなくなっていて不思議に思っていた。

 キリヤナギは、普段から感情が豊かで、温かい心が手に取るように理解できたのに、今はもうまるで扉が閉ざされたように何も流れ込んでこないからだ。

 キリヤナギのこの心の動きは、辛い現実をみた心の防衛反応だとセスナは考察する。

 受け入れ難い事実を見た事で、心が逃避に走り一時的な無感情に陥っているのだろう、それは側面から見れば何ごともなくも見えるが深く傷ついていて、本人もその傷の深さを理解出来ていない。

 普段通りのように見えるが、おそらくヴァルサスよりも傷ついているであろう王子を、ジンは表情を見ただけで「辛そう」だと気付いた。


「殿下も、昨日と今日ですからご無理されず」

「セスナありがとう。でもこの後、ローレンスさんの家で『王の力』を回収にいくんだ。それが終わったらゆっくりする」

「はい。ジンさんのことはお任せ下さい」

「ぐ、グランジさん。変わって……」

「……護衛で忙しい」

「……」


 セスナは、ウキウキでジンの冷却シートを変えてくれていた。間も無く準備が必要と促され、キリヤナギは3人で一度別宅へともどる。

 奪取の儀式の為、王子が別宅を出て行き、ヴァルサスがリビングでゲームをしていると、出かけていたアレックスとククリールが戻ってくる。

 ククリールはヴァルサスに挨拶だけして部屋に戻り、アレックスは何も言わず向かいのソファへ座ってくれた。


「思ったほど沈んでいなくて安心したよ」

「は?」

「王子から全てきいた」

「あいつ……」


 悪態をつき、メッセージを送っているのを見てアレックスは笑う。


「別に責めるつもりも皮肉を言うつもりもないぞ」

「なんだよそれ……」

「私がゴールド嬢と顔を合わせたのは一度ぐらいだった気もするが、立場はどうであれ、ただ残念に思う」

「アレックス……」

「もっとも亡くなったからこそ言えることだが……」

「腑に落ちねぇ」

「悪いな、だが気持ちはわかってしまうんだよ」

「はぁ?」

「私も、一目惚れだからな」


 ククリールがよぎり、ヴァルサスは思わずデバイスを落とした。彼はすぐに拾って、顔を逸らしてしまう。


「もう心配すんな。大丈夫だよ」

「本当か? 泣きついても受け入れてやるぞ、マグノリア公爵家は弱者こそ手を差し伸べよと言う家訓があるからな」

「は? 俺は弱くねぇし……」

「旅費もだせないのにか?」

「なんーー」

「そう言う事だぞ」

「てめぇーー!!」

「はは、好きなだけ甘えるが良いさ。私にとって貴様は庇護対象だからな」

「くっそ、そう言う事かよ」

「どうした? 我後ろ盾が気に入らないか?」

「ちっ、俺はもう強くなるって決めたんだよ。だからそんな早々から弱者扱いされてたまるか」

「なるほど、なら尚更利用すると良い。私もそうしよう」

「どう言う意味だ?」

「強くなると言う意味にも様々だが、公爵は政治的な意味で圧倒的な強さがある」

「それは、そうだけど。俺に何しろってんだよ」

「王子は、学園生活の中で貴様に特別強固な信頼を持っているようにも見える。私と王子の関係性を繋ぐ楔になれ、それだけでいいさ」

「は? 何でそんないちいち……」

「王と公爵家の関係性は密だが、王子と公爵家はまだまだ希薄だからだ。数ヶ月関わってみたが、あの王子は庶民派に見えても根は私よりも貴族らしい貴族。また噂が本当なら驚くほど人を信頼していない」

「……」

「私が突然王子と絶交しても、そう言うものだと受けいれる男だ。もちろん私はそんな事はしないがな」

「何でそこまでわかるんだよ」

「同じ貴族だからとも言えばいいか? 信頼の構築方法を知らないのだろうな。貴様で学んでいるのだろうが、貴族同士でである限り利権は付きまとう」

「……」

「だが向こうから切られれば私はどうしようもない。保険となってくれるなら、私は喜んで貴様の後ろ盾になるぞ」


 ヴァルサスは悪くはないと思っていた。貴族達は結局、その高すぎる立場から利権なしには関わることができないからだ。今は学生だが、卒業した瞬間からそれはお互いに利用し合う関係性となる。


「しゃーねぇな。なってやるよ」

「ふ、これで旅費以外は対等だな」

「腑に落ちねぇ……」

「気にするな、貴様を連れてきて正解だったとは思っている」

「なんでだよ」

「3人では、ただの取り合いだからな」

「てめぇ、ぜってぇ旅費返す……!」

「できる範囲で頑張っておけ、このプランならば、学生バイトで5年はかかるぞ」

「う"っ」

「返してくれるならば、就職してからの方が早いな」


 ヴァルサスは項垂れるしかなかった。アレックスと話しているといつのまにか夕食の時間となり、その日は3人で食卓を囲う。

 キリヤナギはその日、急遽ローズマリー公爵家にて夕食を済ませることとなり、戻ってきたのは夜もかなり更けてからだった。

 スーツ姿の彼は、リビングに戻るなりぐったりとしてしまい、ヴァルサスは恐る恐る口を開く。


「お、おつかれさん……」

「疲れた……」

「取り返すだけじゃねぇの?」

「なんかメディアに儀式見せてほしいって言われて、急遽全部準備することになってさ、大変だった……」

「あぁ、なんか時々ながれてるやつか……」

「ローズマリー領には映像ないから欲しいってローレンスさんに頼み込まれて……、応じたらここまでかかっちゃった……」

「大変だな……」

「でも、首都で撮ったの古くてみたくない。下手で恥ずかしい……」


 上手い下手があるのかと、ヴァルサスは心で突っ込んでいた。ソファへ、へたり込む彼にヴァルサスは恐る恐る口を開く。


「昨日の犯人に会ったんだよな……?」

「うん……」

「どうだった?」

「なんかすごい燃え尽きてた……」

「え??」

「真っ白と言うか、心が折れたみたいな感じ……聞いてはいたんだけど」


 ヴァルサスも困惑している。キリヤナギの見たアロイスの様子は、言葉にできないほど虚無だったからだ。


「ま、まぁ、取り返せたから、よかったかな……」

「そうかよ……」

「でも明日は、ローズマリーの内陸に行くみたいだから、一緒に行こ」

「わかったけど、それならちゃんと起きろよ」


 キリヤナギは少し困っていたが、努力するとだけ返していた。


 連日事件が続いたローズマリー領は、アロイスが捕縛された事で再び穏やかな日々が戻り、人々は失われた命に別れを告げつつ日常を取り戻してゆく。

 その中で、一人飛行機によって逃走していたクード・ライゼンは、燃料が合わなかったことでエンジンが不調を起こし、ウィスタリア領を目前にして墜落していた。

 ローズマリー領とウィスタリア領の境であったそこから徒歩で逃走していたクードだったが、深い森がどこまでも続く山で遭難し、助けを求めていたところをローズマリー騎士団の【千里眼】によって発見される。

 救助されたクードはもはや逃走する気力もなく、発見された時は人と出会えた安心感で泣き叫んでいた。これにより、セシルが目をつけていた王子の誕生祭襲撃に関与した工作員の殆どが捕縛され、春から調査されていた一連の事件が終わりを迎える。


「王子さ」

「んー?」

「元気なくね?」


 ローズマリー領に来て、間も無く1週間が経とうとしていた。広い海と白い砂浜、澄んだ青空が広がるここは、普段都会で暮らす彼らにとって癒しの景色でもある。しかし、ヴァルサスは日に日に反応が薄くなっている王子へ違和感を覚えていた。大規模な事件があり、マリアを失ったショックは当然あるのだろうが、それでも本来なら回復してゆくはずだからだ。

 ヴァルサスとは違う人間で感性が違うのも当然理解はあるが、理由があるのだろうかと不思議にも感じていた。


「そうかな? 普通だけど……」

「昨日、旅行いってたリーシュちゃんが顔見せてくれたのにさ。特に話もしてなかったじゃん、困ってたぜ?」

「……ごめん。ぼーっとしてて」

「疲れてんの?」

「そんなつもりは、無いんだけど……」


 王子の元気の無さは、騎士の皆にもあからさまに伝わっていて、昨日はそれを聞きつけたリーシュが顔を見せてくれた。彼女は、家族に持たされたと言うローズマリー産の肉やお菓子などのお土産を持ってきてくれたが、ヴァルサスは結局どこへ家族旅行へ行ったのかは分からず、残念に思っている。


「そいや、いつまで居るつもりなんだ?」

「特に決めてないけど」

「決めてねぇの?」

「え、うん……、ジンの退院は待つつもり……」


 唖然とするヴァルサスにも、キリヤナギは無表情だった。以前なら少し困っていたのにやはり反応が薄く会話に困ってしまう。


「ジンさん、いつ退院すんの?」

「もう動けるみたいだから、明日から明後日かなって、退院してもしばらくは安静が良いみたいだけど……」

「退院したら復帰?」

「ううん。故障扱いで護衛としてカウント出来ないから、もう少しいるならミレット隊から補充させて欲しいっていわれてて……」

「ミレット隊ってなんだよ」

「僕の嫌いな隊」

「何だそれ??」


 この旅行の護衛任務は、貴族一人に対し数名の護衛がついていて、キリヤナギには三名。アレックスとククリールには二名ずつ、ヴァルサスには一名だ。残りの騎士は使用人として動いたり、休息を取るなどをして回していて、ジンが抜けてからは休息が取れる人数を減らして業務に当たっている。テロの首謀者が捕縛された事でセシルは、数日なら問題はないと人数をそのままに運用していたが、ジンが復帰するまでと言う期間があるのなら、それまで補充させて欲しいと提案されていた。

 ヴァルサスは提案されながらも新しい顔がいない事から、王子が断ってることを察する。


「何で拒否してんの?」

「ミレット隊の人、合わないんだよね……」

「何でそう言うとこわがままなんだよ……」


 確かにわがままで、王子は言い返さなかった。


「ヴァルは帰りたいの?」

「えっ、まぁ、流石に満足したっつーか……」

「ふーん……」


 キリヤナギは、このローズマリー領の開けて空間がとても気に入っていて、従者は親衛隊とアゼリア隊しかいない事からとても気楽な日々を過ごせていた。

 以前来た時は1か月とか、少なくとも2週間以上ぐらいは滞在していて、今回もそのぐらいを目安には見ていたが、ヴァルサスからすれば長いのだろうと理解する。


「首都が恋しいとか……?」

「いや、その、旅費が……」

「それは先輩がだしてくれてるんじゃないっけ?」

「あいつ、旅費絡みで俺を弱者呼ばわりすんだよ。黙ってらんねぇだろ」

「え、でも、貴族ってそう言うものじゃ……」

「うるせぇ、俺が納得いかねぇの!!」

「そうなんだ……?」


 やはり反応が薄いとヴァルサスは何故か傷つきそうになる。アレックスが王子を、貴族らしい貴族と比喩していたのがこの対応でようやく理解ができてきた。


「別に気に入った人を連れて行くってよくあると思うけど……」

「なんだよ。その囲いみたいな」

「旅行なら、一人だとつまんないことあるし……? 先輩は弱者救済について重きを置いてるみたいだから、普段こう言う旅行を経験できないヴァルに貴族の世界を見せたい気持ちもあったんじゃないかな? 社会勉強みたいな?」

「余計なお世話だよ。馬鹿野郎!!」

「えっえっ……」


 突然怒鳴ったヴァルサスに、王子は久しぶりに困惑してみせた。何故怒ったのか分からない態度に嫌気もさすが、王子の言動は確かに間違いなく「貴族」だからだ。


「もういいわ……。なんか納得しちまった」

「酷い事、言ったかな……」

「酷くねぇよ別に、正論いわれてイラついただけだ。悪かったな」

「ご、ごめん……。ヴァルのそう言う事情があるならジンが退院したら帰ろうかな……?」

「気にすんなよ。やばいと思ったら一人で帰るし」

「そ、それは嫌だから、一緒に帰る……」


 焦っているのは友達意識だろうか。アレックスの言う通り、確かに特別な信頼が見える返答だったからだ。



「別に置いてってよかったのに……」

「やだ」

「ジンさん、諦めましょ。殿下折れないですよ」


 ローズマリー領のとある病院にて、その日退院が決まったジンは、セスナに片付けを手伝ってもらい荷物をまとめていた。

 最後に様子を見に来たキリヤナギは、以前よりも包帯が少なくなったジンを無表情で観察している。


「退院していいの?」

「ここ窮屈なんで……早く復帰したいし」

「無理じゃない?」

「無理ですね。この薬飲み切るまでは、運動は避けた方がいいです」

「……」


 うーん、とキリヤナギは何かを考えている。王子の考えていることを察したジンへ【読心】を持つセスナは感心していた。


「俺だけ先帰るんで……」

「じゃあ一緒に帰る」

「えぇ……」

「ジンさん。諦めましょ」


 ジンはため息をつき、午前のうちに病院を出て別宅へと戻ってきた。皆へ気を遣われるジンは、恐縮しながらも一旦は業務員用の部屋へともどる。

 

「あら、もう帰られるの? 早いのね」

「うん、ヴァルも帰りたがってるし」

「俺の名前だすな!」


 その日の夕方。キリヤナギは別宅へと戻ってきたククリールとアレックスへ首都へと戻るスケジュールを告げる。ククリールは少し残念そうな仕草をみせるが、アレックスは納得したように笑っていた。


「確かに日を重ねるごとに金額は上がるからな」

「別に一人で帰るのにさ……」

「どちらにせよ。ジンが動けないからね」

「『タチバナ』か。警備の件は聞いていたが結局補充しないんだな」

「うん、どうせ帰るならいつでも同じだし」

「極論的だな……」


 怪訝な顔をする皆に、キリヤナギは一人首を傾げている。


「ククは、もう少し残りたい?」

「確かに少し名残惜しいけれど、やりたいことは全てやりましたから、王子が戻られるならご同行します」

「ありがとう」

「なら私一人残ることもない」

「先輩。ごめんね。ありがとう」


 そんな王子の一声を受けた騎士達は、次の日より首都へと戻る為の準備を始める。

 皆が早朝から荷物を纏める最中、出掛けて構わないと言われた王子は、戦力外のジンと護衛のグランジ、ヴァルサスと共に早朝の人が少ないビーチを犬のエリィと散歩していた。

 帰路のスケジュールを書面で渡されたヴァルサスは、一日がかりのその経路に思わずげっそりしてしまう。


「行きも結構ハードだったけど、帰りのがきつくね?」

「マグノリアに着いたら、お昼まではゆっくりできるけど……」

「ゆっくりじゃねえよ!」


 車両の連結作業の為か、到着した直後には降りなければならず、その後正午には出発する。時間でみると五時間だが朝の五時間など一瞬で過ぎるため、言うほど余裕はないとヴァルサスは不安を感じていた。

 サンダルを手に持ち犬のエリィを放すキリヤナギは、海水で跳ねる犬を子供のように見守っている。その表情は優しくは見えても楽しそうには見えず、ヴァルサスはどう言葉にすればいいか分からない。

 後ろにいるジンは、ヴァルサスの横に座って項垂れていて、こちらもなんと声をかければいいかわからなかった。


「ジンさんも、大丈夫ですか?」

「大丈夫です……」


 とても大丈夫には見えないが、ジンは顔を上げると目は真っ直ぐに水平線を見ていた。態度では落ち込んでいても妥協はしないと言う意思にも見え、ヴァルサスは改めて口を開く。


「あの、俺の代わりに戦ってくれてありがとうございました。何もできなかったし」

「……! 俺も弱かったんで、もっと強くなります」


 思わず「え?」と驚いてしまった。ジン本人から「自分が弱い」と言う言葉がでるとは思わなかったからだ。


「ジンさんは、弱くないです。俺のが本当に弱くて……」

「弱いのは、悪い事じゃないです。ただの伸び代かな」

「え」

「自分の強さに満足したら、その人はそこまでなんで」


 キリヤナギは、突然走り出したエリィを追いかけてしまう。ジンとヴァルサスは、黙って見ていたグランジと共に犬を追う王子をどこまでも追っていた。

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