ごっこ遊び 2
風と空
第1話 およばれ
「うみくん、きたよ〜」
きょうはおとうさんさんとうりくい(三等陸尉)と、ともだちのうみくんのうちにきたよ。
きょうはきんようびだから、うみくんのうちのおひるはかれーなんだって。めずらしくおとうさんどうしおやすみだからっておよばれしたの。
あ、うみくんだ!
「うみいっとうかいい(海一等海尉)!りくいっとうりくい(陸一等陸尉)じょうばんします!」
「りょ!りくいっとうりくい(陸一等陸尉)のにゅうこうをきょかします!」
ぼくはいつものワークキャップに、おもちゃのうでどけいとむせんきをつけてけいれい。
うみくんはマリンぼうにズボンにしろいポロシャツ。もちろんこしからくさりがポッケにまではいっているよ。ちゃんとみぶんしょうめいしょもってるんだ。かっこいいよね。
ぼくらがてをつないでうみくんのうちにはいると、おとうさんさんとうりくい(三等陸尉)とうみくんおとうさんさんとうかいい(三等海尉)がなにかはなしをしていたよ。
「よっ、鈴木三等陸尉。良くきたな」
「伊藤三等海尉の珍しい休みだ。良く上陸できたな」
「まあな。それよりも中入れよ。陸と海揃えば面白いもんみれるぞ」
「ああ、邪魔するよ」
ぼくとうみくんは、リビングでうみくんのふねであそぶことにしたんだ。今日はうみくんいっとうかいい(一等海尉)といっしょのかいじょうじえいたいいん(海上自衛隊員)にぼくもなるよ。
まだごはんのじかんにははやいから、うみくんとごっこあそびするのがいつものことなんだけど……
「りくくん、いつものやろうと思ったんだけど、きょうはおとうさんもはいってもらっていい?」
「いいよ〜」
「おとうさ〜ん」ってうみくん迎えにいったよ。
たのしみだなぁ。
おとうさんさんとうりくい(三等陸尉)はソファーにすわってみてもらうんだ。
はじまるよ!
「うみいっとうかいい(海一等海尉)なんとうおきでマグロぎょせんがえんじょうしています!」
ぼくがばたばたとうみくんにちかづいていく。
「たいへんだ!ユーエスツー(US−2)しょつどうだ!」
「りょ!」
うみくんとぼくはダンボールのユーエスツーにのりこむ。
「しゅつどう!」
うみくんのあいずでダンボールをもちあげ、げんばにむかう。
うみくんのおとうさんのちかくまでいくと……
「ぎょせんかくにん!ちゃくすいする!」
「ざざざざざ〜」
うみくんのあいずにぼくはちゃくすいおんをあわせる。
「うみいっとうかいい!きゅうめいせんをかくにん!」
「りょ!ただちにきゅうじょへむかう!」
うみくんのおとうさんのところに大きめのダンボールにいどうして、むかえにいくと
「だいじょうぶですか!ぜんいんいますか?」
うみくんがいうと、
「実は船長がまだ船の中に!」
うみくんのおとうさんものってくれるんだ。
「まずはみなさんからです!ゆっくりいどうしてください!」
うみくんのおとうさんはのったふりをして、キッチンへ。
あ、うみくんちは、むかいあってりょうりできるキッチンなんだよ。
「あ、うみいっとうかいい(海一等海尉)!あそこにせんちょうが!」
「だめだ!いまいくとまきこまれる!」
ぼくらのことばをきいて、うみくんのおとうさんはけいれいしながらキッチンにしゃがんでいく。
「「せんちょー!」」
うみくんのおとうさんがキッチンに隠れて見えなくなるまで、ぼくとうみくんはダンボールからてをのばす。
「はいはい、お疲れ様。丁度カレー出来たわよ」
ちょうど、うみくんのおかあさんがてをぱんぱんたたきながら、かたづけるようにいってきたんだ。
「「はーい」」
ぼくらはカレーのためにダンボールを片付けているとき、おとうさんさんとうりくい(三等陸尉)とうみくんのおとうさんがこんな会話をしてたよ。
「…… お前まだ忘れられないんだな」
「ああ、助けられなかった人は忘れられないんだよ。いい戒めになるし、海や陸にも知って貰いたいからな」
「そうか…… 」
ぼくにはなんのことかわからないけど、おとうさんたちもすわってカレーをたべたんだ。
ぼくらはあまーいカレー。おとうさんたちはからーいカレー。ひとくちもらったら、くちのなかがいたかったんだ。よくたべれるなぁ。
そのあともいっぱいあそんで、かえるころにはぼくはもううとうと。
でもぼくのてにはしっかりにぎられているのがあったんだ。
うみくんのおとうさんが、おとうさんさんとうりくい(三等陸尉)があしたじょうばん(上番)だっていったらくれたもの。
おとうさんさんとうりくい(三等陸尉)びっくりしてたみたい。
「あかまむしドリンク」ってなんだったんだろう?
ごっこ遊び 2 風と空 @ron115
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。