第2話 サーロ孤児院

 サーロ孤児院は小さな孤児院で子どもたちの数は少なかった。10歳のアルフレッドと9歳のミハイル以外にはエレノア・リプニツカヤという10歳の女の子がいた。彼女は率直な物言いで自分の意見を言う聡明な女の子だった。男の子みたいにふざけたことはあまり言わないが、弁の立つ女の子であることは間違いない。そして不美人ではないことは確かだ。アルフレッドが彼女に恋い焦がれているということも確かだ。孤児院にいる子どもはその3人しかいなかった。そして世話人のユーリャ・カタノビッチという50歳ぐらいの女性が子どもたちの世話をしている。この女性はああしろ、こうしろと、口がうるさく、子どもたちに大変嫌われていた。子どもたちと言っても嫌っているのは、アルフレッドとミハイルの二人だけだが。エレノアはというと反抗することなく、素直にユーリャの言うことを聞いて行動していた。ミハイルはそんなエレノアを見て、素直に言うことを聞いていて賢いなといつも思っていた。



 

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