第5話 やられるの早すぎないか?
-side ルカ-
「結局、蓋を開けてみれば、カイルと愉快な仲間たちの圧勝かー。」
「試合内容は、結構接戦だったんですけどね。結果的には、力の差が出たんだろうなと思います。」
「最後まで勝ち切るのも実力だな。しっかし、新人の大会で同接が1000人以上とは……うちのクランはすごいねえ。」
レオンさんとオーウェンさんが、今日の試合を振り返っている。俺もその後ろで、今日の試合のことを振り返る。
冒険者にとって、戦闘の振り返りというのは、非常に重要な事だからだ。
今日の試合、3パーティで戦う三つ巴戦だった。試合時間は30分。最初の10分は、まず、味方と合流しながら、敵と鉢合わせたら、戦うという戦法をみんなでとっていた。
この時点では、お互い慎重になるため、1人しか落ちなかった。なお、1人落ちる時には、落としたチームに500ポイント入る。
次の10分は、合流したチーム同士がぶつかり合う、勝負。これが、試合の中では一番面白く、いかに、フロアマップの強ポジションを取れるかで、差がつく。今回は、お互いが粘りに粘ったため、差がつかなかった。
最後の10分は、強ポジションを取れたチームの蹂躙である。この時点で、強ポジションを取れていた、カイルと愉快な仲間たちが結果的に勝った。
「やっぱり、強ポジを取ったことが一番大きいですよね。」
「ああ。敵にやられにくく、こちら側が攻撃しやすい場所だからな。そう言ったところを取ってしまえば、取った側のチームに大幅に有利な試合展開になる。」
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
レオンさんの話を聞きながら、冒険者ギルドへ行くと、沢山の職員や、冒険者が集まり、何やら、騒ぎになっていた。
その場にいる冒険者達に話を聞く。
「お前ら!ちょうど良いところに来た!た、た、た、大変なんだ!!勇者パーティが、勇者が、ダンジョンでやられたらしいんだよ。今、回復魔法が使える奴らが、全力で救命活動を行っているが、助かる見込みがないんだ。もし、上級ポーションを持っていたら分けてくれないか?」
「瀕死になるの、早くない?」
「早いですね。」
「早すぎます。」
あの……まだ、俺が追放されて、半日しか経ってないんだが?やられるの早すぎだろ。
「--というか、何が悲しくて、高級品の上級ポーションを分けなきゃ行けないんでしょう?」
「人命がかかっているとはいえ、ルカを失ったらこうなる事は目に見えていたからな。流石に因果応報って事もあるからな。渡さなくても、ギルドも何も悪く言わないだろう。」
こんな会話をして、ダラダラしていたら、かつて俺が勇者パーティにいた人たちは助からなかった。
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[コメント]
最後、「ざまぁ、RTA」みたいになってしまいましたが、一応、これにて、ストーリー的には大分分が終わりました。
大変申し訳ございませんが、ランクマッチを書くと言っていましたが、色々試行錯誤した結果、力不足で、これ以上面白く書くことが、出来なかった為、一旦ここで、この話を終わらせていただきます。ありがとうございました。
新作描き始めました。タイトルは、「転生キッズのほのぼのライフ〜溢れんばかりの愛情を、受けながら、幸せなスローライフ〜」です。
[完結]ビビりだと、パーティから追放された俺のジョブは、最強の危機管理官≪クライシスマネージャー≫。〜クランでのランクマッチ配信は、バズっているようです〜 西園寺若葉 @book_hobby
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