第29話 もう一つの戦い
「じゃあ、行ってきます」
「頑張ってね」
「お兄ちゃんファイト~」
荷物を確認し家を後にする琢磨。ポケットに手を突っ込みその時に向けて気持ちを落ち着かせる。
駅を乗り継ぎ、着いたのは新幹線乗り場。
「あら早いじゃない?」
「西宮・・・・・と北川?」
仲良しの2人は揃って駅にやって来た。
「押忍!労いにきたよ2人を」
「・・・・怪我はもういいのか?」
「捻挫だぜ?なのに担当医の先生が君は無茶する子だからって大げさに」
美波は右腕にギブスをしていた。
「まあ無茶するって点は同意するわ完治するまではその状態でいいんじゃない?」
「え~沙織酷いよ~」
「そういえば桜華全国制覇だってな」
「一番苦戦したのが県大会決勝って・・・・リップサービスにも程があるわよ」
「まあ私としては桜華に一矢報いたから問題ないけどな、お陰でスポーツ推薦貰えたし」
「そうなのか?おめでとう。」
「おめでとう美波!どこの?」
「中京大学だよ」
「お~。スポーツ推薦さまさまだな北川。」
「なんだと!」
「だってお前の成績じゃ・・・・・ねえ」
「うぅ・・・・確かにそうだけど」
「でもおめでとう北川」
「うん。実際受験どうしよーってなってたから、助かったよ」
「次は俺達の番だな」
「そうね」
「まあ西宮はどこかは行けそうだよな」
「あらそういう貴方もじゃない?」
「おれは最高でB判定だからな」
「あら?そうなの意外」
「学校一の才女にそう思われるのは光栄だね」
7:00発のぞみ705号間もなく到着します。
「確か、この車両だよね?」
「あぁ」
「じゃあ、2人共ベストが出せるようここから祈ってるよ」
「ありがとう」
「頑張るわ」
車両に入り席に座る2人。最後にチェックする者と座るとすぐに仮眠を取る者それぞれの過ごし方で目的地に着いた。
「よく寝てること出来たな」
「貴方が気にし過ぎなのよ、今更足掻いた所で結果は変わらないわ」
「まぁお互いベストを尽くそう」
「そうね」
2人の進路を決める戦いが今幕を開けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます