記憶に刻まれる18歳
第20話 桜舞うこの時期に
「部活だと?」
新学期明けて早々、東条の突拍子も無い言葉に空いた口が塞がらない琢磨。
(いゃ〜あいいね!面白い!!)
(………新学期早々、受験もあるというのに何を考えてるんです?この猿)
「どうしたんだ?急に」
「俺達は最終学年になった。これからは今までのように」
「そうだな。これからは受験に備えて勉強に励む時だ」
「ちっが〜う」
「なにが違う?」
「これから一致団結してこの困難な時期を乗り越えようって時に………俺達バラバラのクラスじゃないかよ〜」
「確かに。ものの見事に分かれたな」
「そんな者同士が集おうと思ったらそう………なにか1つの集団に集まること!っな訳で部活な訳だ」
「別にわざわざ部活なんて入る必要無いだろ」
「甘い、甘いよ琢磨くん。どれだけ仲良く過ごしたクラスメイトでもクラスが離れただけで、話さなくなる事もあるんだぜ?」
「………確かに」
「俺はまぁ〜誰とでも仲良くなれる自信あるけど、どうよ琢磨さ〜ん?」
「それは…………その」
「またボッチ生活に逆戻りって可能性もあるんだぜ?」
「…………俺は元々独りの方が好きだ」
「まぁそういう事にしておこう。じゃあ俺2人に提案を話してくるわ!」
「おっ、おい」
(なるほどな、あの男はあの男なりに琢磨の事気にしてくれてるんだな)
(だとしても、受験というのは人生の岐路に関わる重要な出来事なのでありましょう?部活動なんて。勉学のお邪魔ですわ)
(息抜きだよ!息抜き)
(息抜きなど、それこそ琢磨さんはお一人でいる時の方が出来るのでは)
(わかってないなテン。琢磨は今皆といる時の方が………、それに折角琢磨の新しい道が開けてきたのにこれでチャラになったら俺達が…………)
(アクさん)
(そうだな、それは言っちゃいけないな)
「あのな、お前ら俺は別に…………」
「琢磨〜聞いたぞ部活作るんだろ?」
「北川!?部活を………作る?」
「えっ違うのか?」
「あんた、あの下僕に遂に唆された訳ね」
「西宮まで、………お前からもなにか言ってやってくれ」
「いいんじゃない部活」
「にっ、西宮!?」
(意外だなあのお嬢さん)
(あの小娘と一緒に居られる理由が欲しいのでは?)
(そういうことか〜いいんじゃねーか?)
「てか部活って作るのに5人以上いるんだろ?顧問は誰にするんだ?」
「それは」
「確かに」
考え込む一同。
「それにもう1つ。北川お前だ」
「私?」
「この学校同一の人物が複数部活動に参加すること禁じてるだろ?」
「あっ………」
「どっどうしよう?」
「俺に聞かれても………」
「ちょっと下僕!あんたが提案したんだからどうにかしなさい!!」
「お嬢様、そんな無茶な」
「…………。」
「皆と居ること?部活?どっちを取る私」
「下僕!」
「待って待ってくださいお嬢様〜」
(これは…………)
(あの猿余計な心配を琢磨さんに考えさせて)
「1つ策がある。」
「琢磨!?」
「まじか琢磨!?」
「どういうこと御使?」
「………………」
(やるじゃねーか琢磨!)
(流石ですわ琢磨さん!)
3人の同意を得て職員室に向かう琢磨。果たして起死回生の1手とは!?
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