第14話 文化祭!!
『日ノ本第一高校』の文化祭が始まった。
琢磨達のクラスは校舎入口付近に屋台を構えることとなった。
「準備万端って感じだな、御使。」
「先生。」
琢磨のクラスの担任『石黒勇気(いしぐろゆうき)』は自分のクラスの屋台を誇らしげに見ながらやって来た。
「お前の熱意が屋台から滲み出てるぞ」
「そうですか?」
「俺が言うんだから間違いない。結果がついてくると良いな」
「はい。ベストを尽くします」
「ハハハッ、硬いぞ御使。これは祭りだ気楽に楽しみな」
「はい。」
(いやー今日も熱いな琢磨の担任)
(ただ暑苦しいだけですわ)
「じゃあ皆、今日から3日間。一丸となって目標の3日間で1000食を売り切ろう。」
「よっしゃー!売り切ろうぜ」
出だしの売れいきは…………まずまずであった。
「ありがとうございました。」
「チョコとプレーン1つづつ注文入ったよ」
「イチゴと抹茶の注文あとどれくらいで出来そう?」
「あと、トッピングだけ!すぐ出すよ!!」
「了解。もう用意出来ますのでお待ち下さい」
(…………お客さんは順調に入っては来てるけど、レパートリーを増やし過ぎたか?次々に入る注文に調理側が混乱気味だ)
「すみません。頼んだチョコとプレーンなのにイチゴが来たんですけど」
「申し訳ありません。すぐに作り直します」
「早くしてよね」
「御使悪いんだけど、フォロー頼めるか?」
「勿論だ、状況は?」
「注文が6組あって先頭のお客さんのオーダーがミスで作り直しだ」
「パンケーキは余分に焼いておこう。西田バナナは予め切っておいてくれ」
「OK」
「三宅。注文の種類の数を教えてくれ」
「えっと、プレーン4、チョコ6、イチゴ3、抹茶2、桃は0だよ」
「チョコすぐ出せるか?」
「出来たよ三宅お待たせ」
「ありがとう。すみません。お待たせしました。」
(東条の遊び人スキルが呼び込みに思いの他効果あるみたいだな。)
(どうした琢磨。あのお調子者ならあのままお客さん呼んでもらえばいいんじゃないか?)
(アクさん。今の流れ見てました?注文が集中すると今のメンバーではギリギリのカツカツ。これからのお昼時に人員を増やして売り切ろうとしているのが、わかりませんか?)
(ならさっきの反省を活かして準備すればいいんだよ。さっき琢磨が言ったみたいに少し多めに焼いて置くとか)
(焼いた物をそのままにしておくなど衛生上よくありませんわ。琢磨さんの頑張りが衛生上の理由で無に帰っても。アクさんはよろしいのですか?)
(確かにそうだな。でも準備出来ることは今のうちに………)
「皆!また注文入り出すよ!!」
「これからお昼だろ?さっきみたいなので大丈夫なのかな?」
「今のうちにパンケーキは5枚は焼いておこう、トッピングも出来るだけ余分に」
「わかった」
「どうしよう御使くん!ホットプレート足りないよ」
「落ち着け佐々木、バンケーキに多少時間がかかることくらいある程度想定済みのはずだ。しっかりと焼き上げることに拘ってくれ」
「注文。プレーン2とチョコ3次がプレーン1チョコ1イチゴ2次がプレーン4、次が…………」
「ごめん皆少しだけ耐えてくれ、東条呼んで来る」
「急いで頼むぞ、御使」
「あぁ」
小走りで東条のもとへ駆ける琢磨。
「2年B組のパンケーキいかがですか〜?バリエーション豊富で食べ応え抜群ですよ〜」
「東条。一旦店を手伝ってくれ」
「御使。いいのかお客さん集めなくて?」
「折角お前が連れて来てくれたお客さんにちゃんとしたパンケーキが提供出来なきゃ意味ないんだ」
「おっ、おうわかった。」
駆け足で戻る2人
「なっ!なんじゃこりゃ!?」
「マズい御使。佐々木がパニック起こしてる」
「あとどれだけ焼けばいいの〜」
「落ち着け佐々木!西田。焼きを佐々木と一緒に、三宅!こっちに回ってくれ」
「えっ!受付は?」
「東条。頼んだ」
「俺か!?」
「口達者なお前のトーク術でお客さんの不満を和らげてくれ。その間に4人で作りきる」
「まっ!任せなさい!!」
………………。
「なっなんとか乗りきったな」
「東条ありがとう。助かったよ」
「皆さんすみません。私のせいで」
「なに言ってるのよ佐々木、ギリギリまでよく1人でパンケーキ焼いてたよ」
「ありがとう御座います。西田さん」
「気にしないで」
「御使助かったよ、的確な指示で」
「いや、俺の見通しが甘かった中、皆良くやってくれたよ。お疲れ様。次のメンバーに引き継いで文化祭楽しんできてくれ」
「OK!」
「東条。ありがとうなお前も楽しんできてくれ」
「おう。琢磨頑張れよ」
「あぁ、ありがとう」
1日目2-Bはなんとか300食を達成。しかし琢磨は現状に不安を抱いて1日目を終えた。
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