第28話 嫌がらせ

「次は体育か。着替えないと」

 俺が着替えようと、ロッカーを探した。

(あれ?もしかして忘れた?)

 ロッカーの中に服は無く、無駄に広い空間になっていた。

 花音に貸してもらうか。いや、流石にそれは無いな。

 花音も同じクラスなので、長袖くらいならすぐに貸してもらえそうだけど、流石に女子の服を借りるのは男として嫌だし、真っ先に花音が出てきた自分に嫌悪を感じる。

「ねぇ、最近春斗君と同じ匂いがする気がするんだけど、もしかしてあの噂本人?」

 俺の後ろを通りながらそう喋ったのは、確実に栞の声だった。一瞬振り返りそうになったが、何か言われても嫌なので、振り返らなかった。

「えっ!そんな事ないよ!」

 驚き過ぎて怪しくなってる花音にちょっと言いたかったけど、それをグッと押し殺した。

「そういえば春斗君はずっとそこにいるけど、もしかして忘れたの?花音ちゃんが貸してあげれば?」

「なっ、何言ってるの!」

「誰が忘れたって言ったよ。俺は持って………おい、なんで栞の机の上に俺の服があるんだ?」

 チラッと栞の机の上を見ると、完全に俺の名前が書いてある服を見つけた。

「私のお兄ちゃん、春斗っていうから」

「兄がいるなんて聞いたことないけど!」

 栞よりも先に机へと着くと、俺はそれをとった。

「昨日の恨みでやってるのか!?」

「そんなつもりじゃない。ってそれ返すから今後一切それを言うな」

「やっぱ犯人じゃんか!」

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憧れて作ったほぼパクリの物語 ダミー @dummy0831

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