第9話

「レイさん……ねぇ?」

「……何か言いたいことでも?」

「別になんでも?」

「なんだよ……」

「ただ、零によ〜く名前も声も喋り方も似てる配信者を最近見つけて…ねぇ?」

「……他人の空似だろう」

「へぇ?そういう事言っちゃうんだ〜?」

「……」

「……(ニコニコ)」


 まあ、誤魔化そうとするだけ無駄か……


「わかったわかった。認めるよ。んでそれで?」

「それでとは?」

「わざわざ呼び出して、確認取ったってことは何か言いたいことか、お願いしたいことがあるってことだろ?」

「さっすがぁ!話が早くて助かるね♪そう、零の言う通りお願いしたいことがあってね?」

「なんか嫌な予感しかしないが一応聞こう」

「それは……とその前に、この後暇?暇よね(ニッコリ)」

「はぁ……」




 ______________________




 カフェでの話が終わった後、鈴音に連れて来られたのはとある建物の前だった。


「ここは……?」

「まあ入ってみれば分かるわよ」


 そういわれるとそれ以上聞きようがないな……

 鈴音に連れられるまま建物に入りそのまま奥にあるエレベーターへと乗った。


「それでお願いってなんなんだ?そろそろ話してくれてもいいんじゃないか?」

「まあまあもうちょっと待っててって、すぐ分かるからさ」


 エレベーターが目的の階に付きドアが開いた。

 鈴音はスタスタと歩いて1つのドアの前で立ち止まりノックした。


「(コンコン)いるわね~?入るわよ~」

「は、はーい!います!どうぞ!」


 ん……?聞き覚えのある声な気がするが……


「す、鈴音さんこんにちは!あの、後ろの方がもしかして……?」

「お待たせ咲。そうよ、コイツが例の零よ」


 あっ……うん……

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