第4話

 俺がいる男性寮で俺はアーシェという金髪碧眼の男子生徒と一緒に学園生活を送ることになっている。


 口数は少ないのはいいが、いまいち何を考えているかわからない奴だ。


 声が少し高いがまぁ、俺の年齢の男子なんてそんなもんだ。


 俺の学園生活はどちらかというと、あんまりうまくいっていない。


 その原因というのは、俺は戦闘のセンスというものがからっきしだし、もちろん魔法や魔術についてもちんぷんかんぷんだった。


 魔物と植物、動物の学科試験の成績がいいだけで学園になっているのだから、剣の授業や魔法の授業はいつもびりだ。


 あまりにも実力がアレだから俺は研究者ルートしかないと思ったが、冒険者学校でそんな進路があるはずもなく、俺はひたすら本の虫のように図書室で黙々と勉強している。


 まぁもちろん剣の授業も真面目にやっているが、どんなに頑張っても、可もなく不可もないという感じの実力にとどまっている。


 俺は運がいい事だけは周りからよく言われるが、あの卵だって、先生に一旦預けているから、俺はただのがり勉野郎という評価がしっくりきている。 


 魔物を討伐するというよりその生態に興味があるから俺個人としては魔物を討伐することに関してはもったいないと思ったのが常だ。


 …………愚痴っぽい話が続いたが、まだ、愚痴りたいことはある。


 俺はクラスで一番成績のいいアバンとかいう男子生徒とその取り巻きにいじめというか目をつけられている。


 まぁ今のところ害はないが、良いところの家のボンボンの奴からすればあの卵の価値は相当なもので、たくさんの金貨と引き換えに欲しいという話が出てきた。


 俺としては金に興味がなかったし、先生に預けるのが一番無難な選択肢だったとおもうから却下した。


 さすがに金貨数百枚はビビったけど、どうせ親の金だろう。


 「…………君は冒険者というより学者に近いよね」


 それが同居人であるアーシェからの評価だった。


 冒険者になってもいたいのは嫌だし、フロストドラゴンを従える伝説のテイマーという名声が欲しいから冒険者学校に来ている。


 そんな日常が三か月ほど過ぎた後、俺は課外学習として俺はアーシェと共に隣町の冒険者で見習いをすることになった。

 

 そして現在、俺は空飛ぶ船の上に立っている。


 アーシェは相変わらず無口だ。


 アーシェは俺とは真逆で、筆記試験は全くできないものの剣技と魔法の腕がすごいのだ。


 特に話すこともなく、船が城下町に到着して、冒険者見習いとして俺は冒険者ギルドにお世話になろうとしている。


 古びた建物に入ると、屈託のない笑顔をこちらに向けるオレンジ色のモヒカン頭が特徴的なおじさんに俺は肩を叩かれ、先をすたすたと歩くアーシェと一緒に礼儀正しい冒険者ギルドで一番偉い団長に仕事を頼まれた。


 その仕事の内容というのは、討伐任務ばかりだった。


 早速俺の冒険者ライフは詰んだのかもしれない。


 

 

 

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