第45話 レオパードノハラワタ

荒涼とした大地を2人の足跡が進んでいく。

一つは25センチ程度の小柄な足跡、そしてもう一つは巨大な獣の足跡であった。それは高速で砂を巻き上げ疾走していた。


「カゲル様、ブラディ様は第三層最深部にある

黒曜城にいらっしゃいます。ここからはおよそ3時間ぐらいでしょうか。」


幼き日に見た男爵の服装に長い立髪、服の隙間からは豹の紋様をちらつかせレオパードは言った。カゲルはその上半身の雄々しさに一寸瞬きを忘れていた。


しかし、下半身に目をやると身重の雌狼のように腹を膨らませ、足、尾においてもなよびかさを失っていた。


「そのお腹はどうしたの、、?」


「これは、驚かれましたか。わたくしは両性具有なのです。先日ですが、この世の神にみそめられまして、朝日と共に私は神と交わったのでございます。今、思い出してもあれは素晴らしい体験でした。太陽の舌で温かく舐められ、血管内を高速で内部から犯されるのです。

いえ、愛されると言う方が相応しい、、。

1億4960万キロの光の束に私は突かれ、絶頂と共にこの子を孕んだのでございます。」


「神、、?何を言ってるんだ?」


突然に常識を越境した言動にカゲルは驚いた。


「失敬、これは愛の比喩でございます。それ位大事な命がここのにあるのでございます。さあ、

第三層の悪魔たちがやってまいりますよ!!」


砂埃の中に大きな影が揺らめいた。





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ボーイズインザシャドウ〜兄の背中に隠れてた俺が異世界転生して最強剣を引っこ抜いて成り上がり! 玻璃井 誠司 @hariiseiji

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