第41話 シンリュウソラヲトブ
グアブ!!!バキッ!!
ギガノケイオスは蛇の胴体で這いずり回り、信者たちを一口数十名のペースで咀嚼した。
「シンリュウさまぁーーー!!あ、ああ!来るなぁあぁ!!!!」
バキバキバキ!!
骨が砕ける音が宙を舞っている。
神を信仰するとは、人以外を信仰するとはこう言う事なのかもしれない。宗教は信仰する対象を神とした場合、習慣、風俗の違いから今回の生贄のようなものができてしまう。
「ウマイ!!ウマイゾ!!!シンジャドモ、モットヨコセ!!!!」
「ヒイイイ!!来るな化け物!!!こんな宗教やってられるか!!屋上階段から、、。」
逃げようとした信者Bの道を阻むようにシンリュウの尻尾が扉を塞いでいた。
「いいいいいやァァ!!!!」
バクゥ!!!
そして、Bは死んだ。信者の中には屋上から飛び降り砕けるもの、パイプを使い降りようとするものもいた。
「ゴヒャクハ、クッタカ⁈ソロソロ、ソラヲトベルコロアイダナ。」
竜が喋るとその背中から6本の翼が生えてきた。3対のそれはそれぞれワシ、ハチドリ、天使
のものに酷似していた。
胴体も蛇時代から一変ししなやかなアロサウルスのようにアップデートされた。
ここに神龍ギガノケイオスは完全顕現したのだ。
「ホレ!!」
翼を一振りすると強烈な暴風が起こり、信者達は地面に叩きつけられ動けなくなった。
「モウ、ホネハ、アキタ、ナカミダケモラウゾ!」
竜の一声で天使の翼は幾重にも分かれて伸び
信者達の首に絡みついた。
「なんだこれ⁈抜けない、、ぞ⁈
俺は、、いやワシはぁぁぁぁ⁈がええええ!!」
信者Cの風貌は時を早送りしたように30代から
90代まで一気に加速して枯れた。
シンリュウは天使の翼の先端から生命力だけを
奪ったのだ。
そして残ったのは千をこえる老人の死骸だった。
「イッピキダケ、生きノコリガ、イルナァ?」
死骸の海の中、ポツリと浮かぶ生命船がカゲルであった。彼は影に身を包み天使の翼から逃れたようだった。
「オマエ、シャドウワークスのガキか⁈」
少し聞きやすくなった竜の言葉にカゲルが答える。
「そうだよ、、。元、シャドウワークスのサトウカゲルだ、、。」
生命船は浮かびながらも意気は消沈していた。
今から神龍と戦って勝てるだろうか?目の前で力を見せつけられ到底勝てる相手ではなさそうだ。
そもそも勝つことに意味はあるのか?すっぱりと食べられてしまえば楽になるのでは?ナナゴウのそばに行けるのでは?などと考えては消していた。
「ガキヨ!!死にたいか⁈イキタイカ⁈」
「どちらでもいい、、。」
「それならイカしてやろう!!ただし!オレをフウインしやがったブラディのヤロウを連れてこい!!二層にある龍の巣で待つ!!もし来なければ、、!!!」
ブシュ!!
カゲルに天使の羽が刺さった。
「痛ゥッ!!」
痛みが走る。
「ヒトツキだ!!その間にこなければお前の命はもらう!!!絶対にこいよ!!絶対にいい!!」
ブゥワサ!!
ワシの翼で竜は宙に浮いた、ハチドリの翼で
空中に静止した後、一気に羽ばたき竜は消え去った。
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