第40話 シンリュウコウリン
祭壇の炎の中に飛び込んだヴァズギアはミディアムレアになったナナゴウにかぶりついた。
ガブゥ!!
「うめええええええ!!!!さいごぅダァァ!!」
肉汁が滴る瞬間、ヴァズギアの口と脳を繋ぐ味覚のシルクロードへどしりと横たわり今日まで開かれなかった扉が轟音と共に開き、肉汁は津波のように脳神経を襲いなぎ倒して行った。
「あギャァァァァ!!!溶けるぅぅ!!イグゥゥ!!!!ぅんめええぇぇあぁ!!」
肉を口に運ぶたびにヴァズギアの首へぶら下がる心臓はデカくなりついに1メートルを超えた。
ドクン!!!
ドクン!!!
「オレハタエテミセルゾォォォォ!!シンリュウノ、カラダヲオレノモノニィ、シテアギャァァァァス!!」
ドクン!!
ドクン!!!
「あギャァァァァス!!ギャァオオオオオオ!!」
とうとう言葉すらまともに喋れないほど竜化が進んだヴァズギアに信者達が視線を注いでいる。
「ホホホ、言葉すら忘れたようですな。」
ウォルフが柔らかい棘を持つ口腔内を動かした。
「そそのかした甲斐がありましたよ、、。ギガノケイオス様の復活のために団長にまで持ち上げ、午後3時にはバカの単細胞に夢を与え、ここまで来ました、、。」
さながら、世界をタクト一本で動かしてきた
指揮者の面でウォルフは甘美な表情を見せる。
その間にも竜は巨大な首になり膨張を続けていた。
「ギガノケイオス様!!ここに降龍し乱れた世界を再生させたまえ!!ここに降龍し、乱れた
せぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ウォルフ司祭は首から下を竜に剥ぎ取られ喰われた。
竜の成長は一度止まっていた。ワニのような顔面にライオンの立て髪がついており、美しくはあったが首から下は蛇のように不完全で奇抜であった。
「オイ!!ニンゲンドモ!!!」
明らかにヴァズギアではない地を揺らす地震のような声がした。
「ハイ!!ギガノケイオス様!!待っておりました!!」
地に頭をつけ祈る信者たち。その目には恐怖によって蹂躙された信仰がベッドに横たわり、その情事を竜に覗かれた少女のようだった。
「オマエラノ!!シンコウト!ニクタイヲ!!
オレニヨコセ!!!!」
「へ⁈」
ギガノケイオスは信者達に飛びかかった。
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