第39話 ギガノケイオスフッカツ

チーン


ウィーン


屋上でエレベーターが開放された。


ミサの準備をしていた信者たちの視線は

カゲルの手に握られた金髪の長い髪から

ヴァズギアの首にたどり着いた。


「ギャァァァァ!!!団長ぅ!!!!」


泣き叫ぶ信者たち、ゆうに1000人以上は集まっている。


「オオオオオオイ!!!オマエラ!!だまりやがれ!!ウォルフ司祭はいるかぁ⁈」


首一つななりながらもヴァズギアは生きていた。体を失いながらも切り取られた首の下から

重力によってもぎ取られそうな黒い影の心臓が

ふるふると脈打っていた。


「すごい生命力だな、、。」


カゲルは本音を吐き出した。


「ヴァズギア様!ウォルフはここに!!」


80代位のハゲに白いちょび髭の司祭が声を上げた。


「準備はできているかぁぁぁ!!全てのパーツはここに集まったぁぁ!!」


「ハイ、すでに歯車は回り始めています。」


司祭の横では降龍の儀の為に大きな火が焚かれている。


ニヤリと笑う司祭は視線を信者たちの方へ向けた。


「信者たちよ聞きたまえ!!我々は始祖の龍の娘を捉えた!!よってこれを母体とし、ヴァズギア様の命をもってギガノケイオスを受肉させる!!」


「え?ナナゴウ⁈」


カゲルは驚き司祭の方を見た。そこには降龍の火の中に哀れにも焼け焦げた影がゆらめいていた。


「、、、、、、!!!」


「気づいたかカゲルウウウ!!!」


ガブゥゥゥ


ヴァズギアはカゲルの足に噛みつき、緩んだ握力から逃れ、地に落ちた。


「お運びします!!」


信者の1人がサッとそれを奪い、手から手を

つたい首を運んだ。


「運べぇぇ!!運べぇぇ!!受肉は近い!!

俺は神になるぞぉぉ!!!!」


「、、、、、!!!」


カゲルは絶句したままその場に膝をついた。


「、、、、、、、、、!!!!」


その間に首は司祭のところへたどり着いた。


「神よ!!!ギガノケイオスよ!!きたれ!!

そして世界を浄化したまえ!!!!」


そうして司祭は首を炎の中に焚べた。


「オレハァァァァ!!!神にいいい!!!


なるぞぉぉぉぉ!!!!」









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