第18話 アメーバガアミーゴ

ガチャリ


ジンの眉間をブラディの銃口が睨みつけた。


「種明かしをしようぜ坊や…。テメェの能力は

影をアメーバ状に増殖させるものだな…?」


全てを自供したユダのようにジンは頷く


「尋問をつづけるぜ…。影の能力ってのは無限じゃあない…。増殖みたいなチート系は他の影の力を借りなきゃならない…。お前はファーゼノン駅の影からカオス人形を量産した…。」


「その、、とおりだ、、。」



 肩を落とすジンに探偵は告げた。


「だから俺は駅の影を撃った…。そしてお前の影と一体となっている駅を過去までぶっ飛ばした…。お前隠れる前の駅にな…!!」


「チートじゃねえか、、。俺はチームテーゼのボス、ジンだ、、。俺達にもう戦う意志はねえ、、。降参する、、。」


「理解がはやいな…。」


ガチャリ


ブラディはバレットを影にしまった。


「確かにオレの力はチートだが、てめえが考えるラッキーリープで手にしたんじゃねえ…。

惚れた女の命と何千のミッションで得たオレだけの力だ…。都合のいい異世界野郎と一緒にするんじゃねえ…。」


やけに語気に火を宿したブラディを見兼ね

カゲルが制止した。


「いこう、ブラディ、、。」


「ああ…。」


スラム街へと向かう二人の背中を見つめるジンの背中には西に沈む夕陽の絵の具が注がれ、紫外線で描かれた男のキャンパスは哀しげに丸みを帯びた。

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