第3話 バディワブラディ
「3秒で目を開けな少年。そうしないと
4秒で蜂の巣だ…。」
囁きながらも重低音のその声は
カゲルの瞼に咲く睫毛をゆっくり
と持ち上げた!
目を開けた時、ガラスに映ったのは
鋭利に尖った黒色の先端だった。
「1秒でよけな!戦闘は既に始まってるぜ…!」
カゲルはワニのデスロールの如く右側に体を回転させた。
バキイイイ
アスファルトに先端は突き刺さり、衝突音と爆風が起こる
まどろんだ眠気を吹き飛ばす衝撃と体内から緊急アラート様に溢れ出すコルチゾールが
転がったカゲルの体を1秒で立ち上がらせた。
「起きたかバディ…1秒で理解して2秒で行動しな…!」
明らかに2秒以上の時間を使って肩にかかる程度の金髪に黒いハットを被った色白のスーツは
カゲルに伝えた。
「お前は転生した…!そして今死の瀬戸際だ…!」
バキイイイ!!
追撃してきた先端を2人は左右に避けた。
カゲルの目の前に影の正体が瞳を開けた
「グググ…!!グググ…!!」
洞穴の中でうめく獰猛な獣の口腔内で更にうめく化け物の様な声が聞こえた。
その獣は影で出来た虎だった。
2人を襲った先端は虎の尻尾が伸縮する
凶器となったものだった。
「おいバディ…!時間を稼げるか…?
俺の武器は使用に時間がかかる…
1秒で決断して、4秒時間を作れ…
5秒以内で俺がヤツを仕留める…!
10秒先の未来で生きて会おうぜ相棒…!」
「名前は!?」
カゲルは質問と同時に駆け出した。
「死んだ未来に名前なんていらねえが…。
俺はブラディ…ガンマンだ…。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます