頁15:人の住み処とは 1
小さめの
そんなごちゃ混ぜ建築物がそう広くない集落の中にランダムに乱立している。統一感も去る事ながら、建設計画も恐らく全く考えられてはいないのだろう。
一応住居を建てられるだけの技術はある様だが、何か【芯】が欠落している。そんな不安定な光景だ。
恐らくはその 【芯】が【世界設定】なのかもしれない。名称未設定の影響はかなり大きそうだった。
「いやァ~、これは見事にちぐはぐだウゲぷっ!?」
自分のせいだと理解していない駄目神様の
「お二人さん、泊まる所とかも分からんだろ? とりあえずはウチに来るかい?」
「え、よろしいのですか?」
「まあ男一人暮らしのむさ苦しい家だけどな! 泊まる所は
これは有難い申し出だ。全く何の知識も情報もない場所で無目的に散策するよりは何かしらの拠点があった方が行動がしやすいだろう。
「ではお言葉に甘えても…」
「がっはっは! 若いモンは遠慮なんかしないでいいんだぞ!」
「センキューおっさん! あんたイイ人だな、見た目はアレだけdグひゅッ!?」
今日は良く
「よっしゃ、それじゃあ案内してやるか!」
どこか嬉しそうに、モザイク大将がドスドス歩き出す。
こんな事言うのはアレなのですが……どうか柱だけの
◇◆◇◆◇◆
ひろしさんの自宅は数種類見られる建築パターンの内の『ウエスタン風木造建築』だった。(よかった。)
村の入り口から見てやや奥まった位置にあり、向かうまでの間に何人かの村人さん達とすれ違った。
「おや…ひろしさん、珍しい
「おおよしこさん、何と『 』からの旅人さんなんだとよ!」
「ええ!? そんな遠い所から…苦労したんだねえ……(涙)」
「え? あ、その………ええ、ぼちぼち……」
どういう風に
「オゥひろし、いつも『 』退治すまんな! そちらはどなたサンだい?」
体格の良い初老の男性が豪快に声を掛けてきた。
こちらの
「気にするなって、俺はこの村唯一の『 』だし当然の事をしてるまでよ! こいつらは『 』からわざわざこんな『 』の終わりみたいな村を見に来た物好きな旅人なんだとよ! ぶはははは!!」
「そりゃあ
「ど、どうも…宜しくお願いします…」
なんだか
分かったのは、この村の人達は
そしてひろしさんは敵対生物と戦える唯一の【戦闘向け職業】の人らしく、住民からはとても信頼されている様子だった。この人の生まれ持った
「さ、上がってくれ」
「おじゃましま~っス☆」
「ちょっと、
「あ、いけね」
「
「すいません、お借りします」
…あれ、日本人の習性でつい土足を気にしたけれど…この世界でも家に入る時は靴を脱ぐんだな。偶然かしら?
言われた通り『扉』?の横の『下駄箱』?に靴を入れさせて頂く。
あれ……なんだろうこの感覚。何かが変だ。
私、今何に靴を入れた?
「よっこいしょ、っと…」
「きゃ!」
ひろしさんが身に
「おっとこいつは失礼! でも安心してくれ、着てるし
やめて下さいそのフレーズはギリギリです。
元の地球ならセクハラと
(次頁/15-1へ続く)
【分冊版】知識0から創る異世界辞典(ストラペディア) ~チャラ駄神を添えて~ degirock @degirock
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