吐露

あの日に取り残される。過去に縛られている。思い出すのは嫌だったことばかりだ。失敗。後悔。ネガティヴ。足に絡みつく鎖ばっかり増えていく。もう嫌だ。こんな思い二度としたくない。そうしてあの子は周りから見られる子になった。


あの服前も着てなかった?

なんか空気読めなくない?

一人だけ終わってないの?


社会的評価。相対価値。承認欲求。他人は自分が思ってるほど自分のこと気にしてないなんて嘘だ。身体が弄られてるような感覚。気持ち悪い。監視されている。


あいつは誰の目も気にせず自由に生きる。若くないと出来ないようなことを全部やっている。太陽のような存在。自分は他人に気持ち悪がられるのが怖くて出来ないや。冷めてるのかなあ。自分は恥ずかしいって思う。自分が嫌いだからみんなも嫌いだと思うよ。あれ?みんなが嫌いだから自分も嫌いになったんだっけ。もうどっちか分からないや。複雑な心境。ぐちゃぐちゃまざって。ぐるぐるしてる。何割だろう。8割の侮蔑と残りは嫉妬。実はほんの少しの羨望。あぁ。本当は羨ましいんだ。自分もやってみたいんだ。こんな重い枷外してみたい。視線の奴隷から解放されたい。心が痛い。ズキズキする。なんでこんなこと考えちゃうんだろうな。素直になれない。こんな自分が嫌いだ。また一つ鎖が増えた。


いつのまにか心はこんなにボロボロで。切り傷も擦り傷も無数にある。変わりたいのに変われない。苦しいよ。でもそんなこと誰にも相談できない。そんなことしちゃったらね。一人だけ苦しんでるわけじゃない。被害妄想。甘えてる。そんなことを思われるに決まってる。


出る杭は打たれる。みんなで歩幅を合わせないと。じゃないとまた刺されてしまうから。陰口というナイフ。少しずつ離れていく。待って。行かないでよ。ごめんね。


もうこんなのやめたいな。いっそのこと死んでしまえたら楽になるのだろうか。きっかけは些細なことなんだよ。ほんのすこしの出来事。いつこんなに大きくなっちゃったの。嫌悪感と自尊心。夜はナーバスになる。どうせ死ぬなら美しく死にたい。なんて。どうせ死ぬ勇気もないのにね。結局は自分が好きだから。傷つくのが怖い。そうやって寝るまで考え込んで。結論なんて出ないまま夜は更けて。明けていく。


もうこんな時間か。太陽だ。嫌いだなぁ。あの光。1日の始まりを告げている。本当に始まってるのかな。昨日に置いていかれたような気がしてならない。32時。嘘。自分に昨日は来てない。そのまた前に。もっと前から足踏みしてる。一体今は何日の何時なの。そんなことを考えながら。始まる。



そんな心の黒。何処にでもあって。でも決して見えない。見られる日々の物語。

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