第10話 終戦

「ほ、本当にありがとう、ございましたっ!!」

藤宮さんがこの場にいる俺、美咲に深く頭を下げた。

「私は全然!何もしてないよ!勇人が頑張ってくれたから!」

「いや、俺も大したことはしてないよ。むしろ美咲がいなかったら、この作戦は成功していなかったから。これは美咲のおかげと言っても過言ではない。」

「えーそーかな〜??」

美咲が顔を赤くしてこちらにもたれかかってくる。なんか、当たってるところが妙にザワザワするんだが!?


「あ、あのー…」


藤宮さんが遠慮気味に声をかけてくる。

「お二人って、どんな関係なんですか?」

そーなりますよね!これすごい説明しにくいからできるだけ聞いて欲しくないなぁってずっと思ってたんだよ!!

困っていると美咲が

「まぁ、私の片思い?かなー」

そうとも言い難いが、今はそういうことにしておこう!

「なんで片思い、で終わりなんですか?こんかに仲が良ければ、そのー、お付き合いされてるのでは?と思ったのですが…」

まぁそれもそーなりますよね!!そういう攻め方されると困るんだよ!!

「だってそれは〜」

美咲が少し頬を膨らませてこちらを見る

「勇人がはっきりしてくれないんだもん!」

「まじすんません」

すると藤宮さんは「そういうことなら」と言い、メガネを外した。


「私にも、チャンスがあるってことだよね?勇人くん?」


くあぁッ!!

なんだ!このトゥルンとした目は!!


「んふふ、大丈夫?勇人くんガッチガチだよ?」


「ひ、い、いやっ」


大丈夫じゃないわ!やばい、これダメにされるやつだ。自制できない!

誰か!助けてくれー!!!


「やめろぉぉおおお!!!」

「ぐはぁぁあっ!!」


美咲が急にぶん殴ってきた。

「勇人!惑わされ過ぎ!!」

完全に怒っている。

それに一変して藤宮さんはものすごく嬉しそうである。


「これはこれはーー、私にもかなり脈がありそうですね?美咲さん?」

「ぐぬぬぬぬ!」


美咲は拳を握りしめて藤宮さんを睨んでいる。

「あなたとは仲良くできると思っていたのだけれどね」

「仲良くしましょうよー。ライバル同士、ね?」

「ちょっとあんたいきなり威勢が良すぎじゃ無い!?」

あーー、やっぱりこうなってしまったーーー。

どうしていつもこう、仲良くしてくれないのだろうか。

「えーっと、仲良く、ね?」


「「もちろん!」」


んで毎回揃ってこれなんだよなぁ。


「あとあなた」


美咲がいきなり真剣になって話し始める。


「知らないようだから教えてあげるけど、ライバルは私だけじゃないわよ」


「な、なんですって…!」


「最強の宿敵。金城加奈よ。」


「えぇ!!??金城さん、ってあのモデルの!?」


「そうよ。」


「でも、これは負けられない戦いだから。私は誰が相手だろうと絶対に諦めない!」


「…だから見ててね?勇人くん♡」


ガッチーーン!!


このあと俺は美咲にKOされた。







こんにちは著者ゆるるです。

これからギア上げて頑張っていきますので、今後とも3ヒロをよろしくお願いします。

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