第9話 5時の大激闘 〈反撃編〉
ついにこの時がやってきた。
俺は放送室で生徒指導室とのスピーカー接続状況がオンになっているか確認する。
「よし」
モニターには生徒指導室の様子が映し出され、俺の隣にはうちの学年主任が立っている。
「ご協力いただきありがとうございます。」
「いやあ、あの須藤が嘘をつくわけなかいからな!」
いや美咲だからオッケーだったのかよ。
そう、この問題は俺たち生徒だけではどうにもならない。このことをそこそこ偉い先生に証明する必要があったと思った。
そのため放送室の貸し出し、ここへの呼び出しを先生からの信頼が厚い美咲に手伝ってもらったのだ。
「お、誰か入ってきたな。田中先生と藤宮か…。本当なんだな。」
先生は唖然としていた。
それはそうだろう。生徒指導担当の先生がこんなことを行なっている。それはあり得ないことだ。
俺は科学部のグループ通話が開かれたスマホに話しかける。
「俺が合図をしたらすぐに出てきてくれ。頼むぞKT、新入り!」
「あいよ!」
「任せてください!」
あの2人の手には睡眠する麻酔のついたハンカチが握られている。
「おい、鷹橋。藤宮1人で大丈夫なのか?」
「大丈夫です。彼女が着ているのはただの制服ではありません。俺と亀田が共同制作したパワードスーツです。あれには常にそこそこ強い電気が流れていて、それが藤宮の体に流れないように作ってあります。」
もし何かがあった時のために亀田が瓶を持って生徒指導室の近くに待機しているが、あまり手荒な真似はしたくない。
モニターを見ると田中が藤宮の制服に手を伸ばしていた。
「痛っ!!!」
田中が声を上げた。手に強力な電流が走ったのだろう。
俺はマイクに話しかける。
『はいはーいやっちゃいましたねー。あなたは完全に包囲されてまーす。ぜーんぶ記録済みなので、これから地獄に落ちてくださいねー。』
俺はすかさずスマホに持ち替え2人に合図を送る。
「KT!新入り!!」
「行きます!」
KTと新入りが生徒指導室に突撃すると、田中の顔面にハンカチを押し付けた。
田中は抗う間も無く意識を失ったようだ。
『田中撃退大作戦、成功だー!!』
こうして、大激闘は幕を閉じたのだった。
こんにちは。著者ゆるるです。他の小説を書いたり学校を忙しかったりと、書く時間があまりなくちょっと諦め体制にあったのですが、学校の友達から早く続き書いてくれと言われたので、ちょっと頑張って書いてみました。
更新遅くなってしまい申し訳ございません。また反響があったらすぎ更新したいと思います。
実際吸収してすぐ眠る麻酔というのは特殊な機械がないと作れないらしいですね汗
ちょっと細かい現実問題は見逃してほしいです。
今後とも3ヒロをよろしくお願いいたします。
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