慎重さはだいじ その②

「あれー、おかしいにゃ」

 

 不思議に思いながら電源ボタンを押し、強さのボタンをポチポチと押す。

 0から15に上がっていく数字と共に、まだぶるぶると肩に電気が流れるのを感じる。


「ふー……、パッドが外れたのかにゃー?」


 電気は白いコードを通じて専用のパッドに流れ、そこから接着している肌へと伝わっていく。

 このパッドが剥がれていると、自動的に動作が止まる仕組みなのである。


「う、あれ?」


 再び、電気の感覚がなくなり、画面を見る。

 と、そこには何も表示されていない。

 さっきより短い間隔で電源が切れているのだ。

 これはもしや、ときのみは瞬時に閃いた。


「電池切れとみたにゃ!」


 そう、持ち運びが容易なこの治療器は、コンセントを繋ぐのではなく、乾電池で稼働するタイプであった。

 購入以降、暇さえあれば付けてぶるぶるしていたため、さすがにその消耗も早かったのだろう。

 きのみは電池を収納していると思しき裏側を確認する。

 と、縦10センチ、横3センチくらいのふたが、マイナスの形をしたネジによって止められている。

 きのみは停止した。


「これ、どうやって開けるにゃ……」


 きのみの家にはプラスドライバーしかなかったのだった。

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