第44話 寝袋での…

キュウキュウの寝袋に、お互いの息づかいが分かるくらい密着してると、なんだかソワソワしてくる。




さっきからウィスは不埒な手つきだし、


でもそれを嬉しいと思ってる自分がいる。




「リタ…」熱い吐息と共に、自分の名前がこれ程までに心地よく耳に入ってくるとは、少し前の自分では想像もつかなかった。




「ウィス……好き。」




呟くと同時に、ガバッと後ろから抱き締められ、


「無理だ、そんな可愛いこと言われたら…このまま抱き締めて寝るのも良かったけど、煽った責任はリタにあるからな。」




「……私だけのせいじゃないでしょ……」




顎をそっと支えられ、ウィスの唇が重なった。


「明日は絶対、あの腹黒王太子には触らせない。俺の側から離れるなよ。」




くすっと笑いが溢れた。




「だったら、ウィスが私を離さないでいて。」




「勿論。」


またウイスが優しいキスをする。





それから、お互いを感じあって、愛情を深めた後、私は睡魔に襲われていた。


ウトウトと心地好い眠気が漂い……


ハッ!と大変な事に気づいた!


「ちょっとウイス!もしかして赤ちゃんが出来たらどうする気!まだ遠征も終わらないのに、私が一人で産んで育てろってことなの!?」



「リタ一人で産ませないよ。出産には必ず立ち会うって決めてるし。それに俺の魔力を注いでるから、避妊できてるよ。ま、でも俺としては子供が出来ても問題ない。すぐ騎士辞めて側に居るから。」




な、なんですと!?




「な、何言ってんのよ!騎士はウイスの誇りでしょ!簡単に辞めるなんて言わないでよ!」




「騎士よりも大事な事だからだよ。俺にとっては。」




そう言うと、後頭部にチュッとキスをした。




なんだか涙が出てきた。




本当にもう!ウイスの事好きすぎる!




私大概だわね……












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