七ノ巻~三成の気遣い②~

───夜。


 私、月城莉菜つきしろりなは、三成と共に町に姫巫女の遣いひめみこのつかいが出没したため、長政様からその巫女の遣いの討伐をして欲しいと頼まれたため、三成と町に来ているのだ。


「……」


「……」


 お、推しと一緒に歩いてるって夢みたい! もう死んでもいい~悔いは残らない! そう思っていると、三成は小さく欠伸をした。


「眠いの?」


「今日は眠い。普段はあまり寝ることはないんだ」


「寝ないって……」


「……不眠症なんだ。それに、腹痛が酷い」


「不眠症と腹痛……」


「いつからそんな身体になったのかわからない」


「ストレスからなのかな?」


「すとれす?」


「ストレスは色々厄介なんだよ?精神状態がおかしくなったり、身体に不調をもたらすし、不眠症も腹痛もストレスから来てると思う。政務とかで忙しかったする?」


「最近は特にだな。貴様が謹慎をくらったせいで、貴様の分まで仕事が来る」


 私が原因だったんだ……。三成にも被害が……。


「ごめんなさい……」


「あ、謝ることはない!俺も貴様と同じで信長を殴っていただろう」


「三成……」


「だが」


「?」


「たまには俺に頼れ」


 三成はそう言うと、微笑みながら私の頭を優しく撫でた。


「ありがとう三成。三成も私に頼って良いんだからね?」


「あぁ」


 私と三成は笑いあっていると、前に黒い影何体もの現れた。姫巫女の遣いだ。私と三成は刀を構え、姫巫女の遣いに斬りかかった。互いに背中を預け合いながら、共に戦った。


 いつの間にか夜が明け、私と三成は呼吸を整えながら城まで戻った。城の門前で倒れ、私たちの帰りを待っていた大谷さんと兄上に抱えられながら、お互いの自室へと戻ったのであった。

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