四ノ巻~新たな仲間~

小谷城おだにじょう

 

───大広間。


 私、月城莉菜つきしろりなは、美濃の斎藤龍興さいとうたつおきのもとを離れ、竹中半兵衛たけなかはんべえと共に浅井長政あざいながまさ様の元に戻った。相変わらず、物腰が柔らかく、自分の家に戻ってきた感が凄く感じる。私は、半兵衛のことを教え、自分が異世界人であること、そして姫巫女ひめみこの生まれ変わりだと言うことを話したことも、長政様に御報告した。長政様は、嫌な顔をせず、にこにこと笑っていた。


「そうかそうか!莉菜、よく半兵衛殿を連れてきてくれた!ありがとう!」


「いいえ、私は何も。半兵衛が私に着いていきたいと言うものですから」


「そうなのだな!半兵衛殿!いや、半兵衛よ!これからよろしく頼む」


「了解です!また莉菜と一緒にいれて良かった!」


「莉菜よ!半兵衛に城の周りと町を案内して貰っても構わないか?それと、高虎、三成、吉継達にも会わせてあげてくれ」


「御意」


 私たちは、大広間から出て、城の中を歩き回った。途中途中、会う人たちに半兵衛のことを言うと、歓迎してくれた。やっぱり、浅井家は居心地がいい。そう思っていると、背後から何者かの気配がしたため、回し蹴りをすると、その蹴りを受け止めた大谷吉継おおたによしつぐがいた。気配の正体はやっぱり大谷さんだったか~。大谷さんは、私の足を離すと、微笑みながら話しかけてきた。


「久しいな……莉菜」


「大谷さん!大谷さんお元気でしたか?」


「あぁ。見ての通りだ」


「良かったです!」


「そちらにいるのは?」


「どうもー竹中半兵衛と言います~。斎藤家から浅井家に来ました~莉菜ので~す!」


「……莉菜が世話になったな」


「いいえ~大谷さんでしたっけ?莉菜のなんなんですか?」


 半兵衛は大谷さんにそう尋ねると、大谷さんは爆弾発言をした。


「俺は大谷吉継。莉菜の……」



───想い人だ。



「はぁ?」


 お、想い人って? ふぇっ……。な、何を言ってるの!?


「半年間、俺は莉菜を……」


「吉継!!お前はど阿呆かぁぁぁぁ!!!」


 大谷さんはなにかを言おうとした瞬間、後ろから高虎さんが、タックルしてきた。私と半兵衛は二人のやり取りに驚いていると、三成が息を切らしながら走ってきた。


「莉菜、元気だったか?」


「うん!三成も元気そうで何より!」


 私は、浅井に戻ってきたら、石田さんから三成と呼ぶ約束をしていたので名前で呼ぶと、少し、顔を赤く染め、「そ、そうか」と言った。その光景を見ていた、半兵衛は「賑やかだね~」と笑っていた。そして、問題の高虎さんと大谷さんは、私と三成のやり取りを見て騒ぎだした。


「莉菜!お前いつの間に三成を名前呼びで呼びようになったんだ!?」


「俺は気にしていない。だが、三成。お前は許さん」


「二人とも落ち着かないと、斬るよ?」


 私は、刀をちらつかせると二人はおとなしくなった。そして、私たちは町の中へと向かい、最後には、お市様にも半兵衛に会わせて一日が終わったのであった。

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