六ノ巻~旅立ち~
私、
そして、私を受け入れてくださった
そして、今日。長政様から初めての任務を下された。
「莉菜」
「はっ!」
「そなたに頼みたい事がある」
「何でしょうか?」
「
「失礼ながら、理由をお聞かせ下さい」
「あぁ。そなたがこの時代に来る前、
「御意」
私は、元のいた時代で、お婆ちゃんから薬の作り方を教えて貰っていたため、表では巫女をやっていて、裏では
最初、大谷さんたちは私を心配してくれたが、私も浅井に恩を返したいし、長政様にもっと役に立つと認めてもらいたいと伝えると、皆、私の思いを受け入れてくれた。
次の日、早朝に私は、稲葉山城に向かおうと馬に乗った。馬の乗り方は、高虎さんから教えてもらった。覚えが早いと褒められたな~。浅井家に来てからのことを思い出していると、白の羽織を羽織った、石田さんがこちらに走って向かってきたので私は、馬から降りた。息を切らしながら走ってきた石田さんに、話しかけた。
「い、石田さん!?どうしたんですか!?」
「うるさい」
石田さんは、そう言うと私にデコピンをした。
「痛いです……」
「知らん」
石田さんの性格は大体理解してきたけど、まだちょっと慣れないな……。
「……貴様。生きて帰ってこい」
「えっ?」
「不老不死で死ぬことはないだろうが、貴様は人間だ。化け物ではない。それだけは間違えるな」
……先代の姫巫女のことを気にしているんだ。人間は彼女を化け物扱いをし、彼女は人間に絶望した。その道を、私も辿ってしまうのではないかと心配してくれているんだ……。
「分かっています。石田さんも生きててくださいね!」
「……なり」
「?」
「三成でいい。帰ってきたら俺のことを、名前で呼んで欲しい……それと、敬語も無しで……」
「……分かりました!今よりも強くなって帰ってきます!それまで、お互い頑張りましょうね!」
「あぁ」
こうして石田さんと話し、色々と不安などが吹き飛び、新たな気持ちを抱きながら、私は稲葉山城へと馬を走らせたのであった。
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